【ゾッとする怖い話】靴底に感じた“ぐにゅり”とした感触。駐輪場で起きた恐怖体験

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薄暗い高架下で、なにかを必死に探す人物。
鍵やイヤホンの落とし物でしょうか?それとも……?
今回は、高架下の駐輪場で男性が見た怖い話をご紹介します。

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松木あや
松木あや
2024.11.30

うずくまる人影

たくさんの自転車が並ぶ駐車場出典:stock.adobe.com

高校生の頃、電車通学をしていた私。
家から駅までは自転車で向かい、近隣の駐輪場に自転車を置いていました。

駅に併設された駐輪場は利用者も多く、特に夕方は学生たちのたまり場に。
騒がしい場所が苦手な私は、近くにある高架下の駐輪場をよく利用していたのです。

この高架下の駐輪場は、駅の駐輪場に比べてどこか物悲しい雰囲気がありました。
なんとなくどんよりとしていて、そのせいか利用者もそこまで多くはありません。

ある日の学校帰り、いつも通り駐輪場に自転車を取りにいったときのことです。

「ん……?」

少し離れたところに、自転車の前でうずくまる人影が見えました。

辺りが薄暗かったこともあり、その姿をはっきりとは確認できませんでしたが、なにやら探し物をしているようです。
自転車の鍵か、なにか落とし物でもしたのでしょうか。

私が自転車を停めている場所は、その人物のいる位置よりも奥にありました。
その光景を横目に、横を通り過ぎようとしたときです。

「……?」

なにか、“ぐにゅり”としたものを踏んだような気がしました。
気のせいかと思ってまた一歩踏み出すと、また同じような感触を靴の底に感じたのです。

不思議に思って視線を地面に向けると、いくつかのコロコロとした物体が。
その正体が気になり、よくよく目を凝らしてみると……

「……っう、うああああぁあ!!」

地面に落ちていたのは、人間の指でした。

探し物

自転車の車輪出典:stock.adobe.com

あまりの衝撃に大声を上げ、私はその場に尻もちをつきました。
しかしそんな私の状況にも動じることなく、隣でしゃがみこんでいるその人物は、ずっとなにかを探し続けているのです。

その異様さに、思わずその人物に目をやると……

「えっ……?」

なにかを探すように、地面に這わせた両手。
その手は血にまみれて真っ赤に染まり、なぜか半分以上の指がありません。

驚きのあまり私は言葉を失い、その人物から目が離せずにいました。

するとその人物は、近くの自転車の車輪を思いっきり回し……

「え、なにを……」

勢いよく回る車輪に、残り少ない指を差し込んだのです。

私が見たものは……

もう自転車などどうでもよくなった私は、逃げるようにその場を立ち去りました。

「地面に落ちていた指は、あの人物の?そして探していたのは、まさか自分の……?」などと考えたくない想像ばかりが、頭を駆け巡ります。

しかし家に帰ると、自転車を持って帰らなかったことを母親に咎められ、取りに戻ることに。
恐る恐る駐輪場を再び訪れるも、あの人物の姿はありませんでした。そして、地面に転がっていたはずの指も、どこにも見当たらなかったのです。

私は、夢をみていたのでしょうか。
あの日見た光景が、今でも脳裏にこびりついて離れません。

※この物語はフィクションです。
※記事に使用している画像はイメージです。

松木あや

◆松木あや

ホラーやオカルトが好き。在住する東北の地で、ひんやりとした怖い話を収集しています。
恐怖体験の「おすそわけ」を楽しんでもらえると嬉しいです。

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松木あや

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