おすすめの小説家♡モーパッサンにペシミズムを植えつけたものは
モーパッサンは悲観的な小説を書くことも多い小説家でした。
そんな彼の悲観主義を育てたのは、戦争体験からです。
戦争の中でモーパッサンは、人の残虐さや愚かさを嫌というほど思い知らされたのです。
戦争体験からより自由と平和を愛するようになったモーパッサンは、落語のような滑稽な小説を書く一方で、孤独や死について悲観的に書かれた小説も多くあります。
"自然主義(真実を書くことに重点を置いて、美化することをしない)"を大切にした彼の小説は、とてもリアルです。身に迫るものがあります。
悲劇を美しく描き、お涙ちょうだい的なありきたりストーリーに飽きている人におすすめです♪
モーパッサンのおすすめ小説①「女の一生」
ただただタイトルの通り「女の一生」を描いているこの小説。
自然主義のモーパッサンらしく、この女の一生は、あまりに悲劇が続き過ぎて物語的にも思える一方で、とてもリアルです!
素敵な人との恋を、結婚生活を。そして、子どもを持ち幸せに暮らす未来を思い描くどこにでもいる女に実際に訪れた未来は、苦い。
物語において"悲劇が続く"と聞けば、愛しい恋人を亡くすだとか、不治の病にかかってしまうだとか、そんな劇的なものを想像してしまいがちだけど、「女の一生」は違います。
"こんな女は実際にいるだろう"
"ひょっとしたら自分の未来もそれに近いかもしれない"
そう思った瞬間、女の一生の苦さをあなたも噛み締めるでしょう。
ちなみに「女の一生」を原作とした漫画も出ていて、そちらもおすすめです♡
女の一生
¥905
販売サイトをチェックモーパッサンのおすすめ小説②「脂肪のかたまり」
モーパッサンの名前が有名になるきっかけとなった短編小説「脂肪のかたまり」。
これはとにかくモーパッサンの"人の醜さを皮肉る描写"がとても利いているので、モーパッサンを読むならこの小説からがおすすめです♪
タイトルの「脂肪のかたまり」にあたるのは、登場人物の太った娼婦。
この小説に出てくる他の登場人物は、貴族や修道女に革命家といった人々ばかりなので、それと比べると"脂肪のかたまりな娼婦"は、ほとんどの人から見て醜く見えるはず。
でも、お金と見栄で煌びやかに着飾った貴族たちが集団で娼婦を貶める姿は……。
そして、それとは正反対に、優しく誇りをもった娼婦の姿は?
最後まで読めば、「脂肪のかたまり」のタイトルは本当に娼婦のことを指しているのか、他の人たちや醜い人間を指しているのではないか…と考えさせられる、おすすめ小説です♡
脂肪のかたまり
¥454
販売サイトをチェックモーパッサンのおすすめ小説③「モーパッサン短編集」
モーパッサンの徹底した"人間らしさ"を描く小説が好きな人にとって、たまらないおすすめ小説が「モーパッサン短編集」。
「モーパッサン短編集」は1巻から3巻までが出ていますが、1巻はモーパッサンの故郷の田舎ノルマンディ地方を舞台にした小説。2巻は都会を舞台に、3巻は戦争をモチーフにした小説になっています。
「モーパッサン短編集」は、どの小説もとにかく人間のエゴなど醜い部分がテーマになっていて、読んでいると"こんな人いるなあ"とか、"こんな時が自分にもあるかも"と思わせられる。
スカっとするような読後感はないに等しいのに、ハマってしまうのがモーパッサンの小説なのです♪
モーパッサン短編集(1)
¥680
販売サイトをチェックモーパッサンの人物像とおすすめの小説はいかがでしたか?
彼の書く小説はシニカルな小説が好きな人なら、絶対に読んで損はしませんよ!
※表示価格は記事執筆時点の価格です。現在の価格については各サイトでご確認ください。