#既読スルーを自慢するおとこのこ『東京で恋をすること −TokyoCircle- #4』

LOVE

東京ではたくさんの人間関係が交差して、絡まって、
大きい一つのサークルみたい。

今すれ違ったあの人は、昔好きだった人だった。
隣のあの子は、わたしが好きなあの人の元カノかもしれないし。

いつも“どきどき、 キラキラ、わくわく”
だけじゃないけれどそれでも恋するのがわたしたち。



騒がしい東京の20代恋愛事情を
#うそつき恋人 #いじわる片想い #さよなら失恋
#なおんなのこ #なおとこのこ
などのテーマ別に毎週更新でお届けします。

既読スルーまでの認定時間

今週のBGM ♫What Do You Mean? /Justin Bieber(ジャスティン・ビーバー)

既読はついていた。

今日は金曜日の夜、2日前の水曜日、
ノー残業デーに設定されてる会社が1番多いはずで
飲み会も少なめなはずの週の真ん中水曜日
その日に好きな彼に送った雑談LINE。

2〜3回、既読がついていないかチェックしたけれどまだついていなくて、
既読がつかない=返信をする気がある
と期待していたのに、
やっとの想いで1週間を終えた金曜日の20時
まず彼とのトークをチェックすると、

そう、既読はついていた。

ランチの時間にはついていなかったのに。
これはスルー?それとも返信考え中?
いったいどれくらいの時間が経ったらそれは
既読スルーに認定されるの?

商社に勤める親友が同期たちと飲んでいるというので
金曜日の夜だし、
と加わることにした。
金曜日の恵比寿、できたばかりのBRICK END(ブリックエンド)。
会社帰りのサラリーマンやOLたちがずらり。

こういう人たちを客観的に見ていると、
うわーって思う場面がたくさんあるけれど、
わたしもあの1番奥の席に座ってしまえば
もう彼らとなんら変わりないことはわかっていた。

客観的に見ないとわからないことはたくさんあって、
でもそんなことを本当の意味でできているひとは少なくて、
人の欠点にはすぐ気がついてしまうことこそが
わたしの欠点?
人のことばかり、指差すのだけはやめたいと思ってる。
そうやって大人になるほど口数が減る。

親友の同期Nくんとは顔見知りだった。
詳しく話すつもりはなかったけれど、
好きなひとからLINEが返ってこない話をぽろっとすると、
Nくんはこの上なく楽しそうに笑ってハイボールを片手に
「それは脈なしだな!次、次いこ!」
と笑った。

まず、わたしはNくんにそのLINEの情報しか与えていないし、
次いこ!とかそんな簡単な問題じゃない。
そしてNくんと、今わたしが好きな人とでは
人としての品格が違い過ぎてこの人に彼の気持ちが理解できるとは思えない。
「あなたと彼とではレベルが違うの!」
なんて口には出せない。

「既読スルーだな。それは!
 普通、好きな子のLINEならすぐ返すからね。
 ま、俺もけっこうしちゃうんだけどねー。
 ほら、なんか“今○○してるよ”みたいな報告LINEとか
 まじでいらないじゃん?

 それでも好きな子なら返す、
 好きじゃなかったらスルー決定。
 そして別に男はさ、
 水曜日暇とかそういうのないから!
 何曜日だからとか何時だからとか、
 そういうの基本関係ないからね!
 俺も今2〜3人既読スルーしちゃってるもんな」

君の状況は聞いてないよ、
と思いながら笑顔を貼付けた笑顔で
「そうなんだ」
と言った。そうなんだほど便利な言葉があるかな?
人数を覚えているあたりちょっと引く。

モテ自慢だ。
 
 「でもちょっと気まずかったりするから、
 少し時間置いてから開くわけ。
 それが水曜から金曜の2日間なんだろうねー。」

イライラして聞いていたけれど、そこに関しては少しドキッとした。
好きな彼とわたしは共通の友達の多く、
そういう意味で気を遣われている可能性は十分あった。

日曜日の朝、目覚めると彼からスタンプが1つ届いていた。
にこにこ笑った、LINEのキャラクターのムーンのスタンプ。
その意味が、わたしにはわからなくて、
すぐにその画面を閉じた。
……たぶん彼の中ではなんの意味もない。

こんな彼とのLINEのひとつで一喜一憂しているわたしは
おとなになったつもりでもまだ純粋な恋愛初心者なのかも。
あの人の心のなか、どんな色なのかを覗けたらいいのにな。