#上書き保存を邪魔するおとこのこ『東京で恋をすること −TokyoCircle- #22』

東京ではたくさんの人間関係が交差して、絡まって、
大きい一つのサークルみたい。

今すれ違ったあの人は、昔好きだった人だった。
隣のあの子は、わたしが好きなあの人の元カノかもしれないし。

いつも“どきどき、 キラキラ、わくわく”
だけじゃないけれどそれでも恋するのがわたしたち

おんなのこは上書き保存

今週のBGM♫「Water Under the Bridge」/Adele

おんなのこはみんな
恋は上書き保存というのはもはや定説。

結婚の場合はそうともいかなくても
(一度家族になった相手の特別さは格別だから)
恋愛の場合はたいてい
次の恋によって過去の思い出はキレイにしまわれて
その上に
新しい毎日が彩られる。

好きなひとができると大抵
前に好きだったひとのことなど
どうでもよくなってしまうもの。

理想のカップル

もう何年前だろう。
Kちゃんは
学生時代に数年のあいだ
真剣に恋愛した彼がいた。
サークルの同期で誰もが羨む仲良しカップル。
美男美女と話題だったし
2人が大学の中庭で話している姿はどこか
海外ドラマの1シーンみたいで
金曜日の2限目に
窓の外に2人を見るといつも安心したし
どこか羨ましくもあった。
誠実で、真剣で、爽やかな恋愛は
とても眩しく見えた。

自分へのいい訳

「みんな、人間は飽きていくものなんだよ。
 新しいものが好きで、気になるの。
 当たり前になることは
 必要不可欠になるようで、
 本当は自分から
 ゴミ箱に飛び込んでいるのと同じことなの」

Kちゃんはしばらくしてから
そう言って哀しい顔で笑っていた。

「彼が悪かったわけじゃない、
 私が悪かったわけでもない。
 どちらも悪くないけど
 2人ともが別れに向かう言動をとっていたんだと思う。」

本気で愛したひとに裏切られた、とか捨てられたとか
そういう風に思いたくないおんなのこが
自分の自尊心をぎりぎり保つときに使う言葉だ。

数ヶ月してKちゃんは
’’好きな人ができた’’
と人に言うようになった。
誰かにその’’好きな人’’の話をするたびに
その人のことをますます好きになる。
その人のことを考える時間も長くなってく。
口に出していくことが大事なのは
夢に関してのことだけじゃない。
恋は秘めてこそ、の側面もあるけど
想いは口にしていかないと、
自分自身も飲み込めないときがある。

そしてその話が、
元彼の耳に届いたらしい。
上書きさせまい、と思ったのか
Kちゃんに甘えるような連絡をしてきたり
あの、中庭に一人でいるようになった。
そしてまんまとKちゃんは一度元カレと会ってしまい
それはせっかくの新しい好きなひとと気まずくなってしまった。

一度好かれたら一生好かれたままと勘違いしているおとこのこは多い。
一度好きになったら一生好きなままと勘違いしているおんなのこも多い。
それでものその元彼は
新しいおんなのこと付き合い続けていた。
Kちゃんにまた近づいたのは
戻ろうとしただけでなく
上書き保存されるのを阻止するため
一度慣れ親しんだものを手放すのは惜しいのは
おとなも一緒。

さよなら失恋 恋愛

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この記事を書いた人

一木美里

一木美里 Misato Ichiki
歌手/DJ/SamanthaThavasaGroupブランドレップ/コラムニスト
198…

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