#ステンドグラス系なおとこのこ 『東京で恋をすること −TokyoCircle- #21』

Love

東京ではたくさんの人間関係が交差して、絡まって、
大きい一つのサークルみたい。

今すれ違ったあの人は、昔好きだった人だった。
隣のあの子は、わたしが好きなあの人の元カノかもしれないし。

いつも“どきどき、 キラキラ、わくわく”
だけじゃないけれどそれでも恋するのがわたしたち

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一木美里
一木美里
2017.04.07

好き同士が奇跡の常識

今週のBGM♫「Chandelier 」/Sia
「好きな人が自分のことを好きなのは
 奇跡。
 
 そしてそれが続いていくことは
 奇跡の中の奇跡

 とてもとても貴重なこと」

アラサーになると
男女ともに
大抵の人がそのことに気がついている。

だからみんな
手札を揃えたり
嘘で着飾ったり
そうやって
育つかわからない恋の芽を育ててく。


男女の友情

失恋からなかなか立ち直れずにいたMちゃんに
とことん付き合い話を聞き励まして
いろんなところへ連れ出してくれたKくんがいた。

Kくんは大人でユーモアに溢れていて
ふさぎ込んでいた彼女から
たくさんの笑顔を引き出し
キラキラさせていった。

周りの女友達たちは彼へ感謝して、
「やっぱり男女の友情はあるね」
とさえ言った。

その紳士な立ち居振る舞いから
下心など微塵も感じなくて
わたしたちはみんな、
男女の友情の存在を信じかけた。

好きになるべきひと

だからMちゃんがそのKくんのことを
「好きかも」
と言い出したときには
思わず
’’違う!’’と突っ込みかけた。
その人のことを好きになるのは危険な気がした。

綺麗な純粋な恋愛こそ
うまくいかなかったときは
おんなのこの心を抉るときがあることは
彼女こそ
最近体感したはずなのに。

好きになるべきひと、
ではないという女友達の勘は割と正しい。

もともとが素敵な
キラキラ光るステンドグラスのような彼へ
友情、信頼、
そして周りからの評判という
光が降り注いで
よけいにキレイに輝いて見えていた。

砕け散ったステンドグラス

あるとき
Kくんには
彼女がいたことがわかった。
もう1年以上付き合っていて
結婚前提だったらしい。
仲間うちの一人が
土曜日の表参道のナプレでランチをしていたら
Kくんとその彼女が結婚式について話していたのを
たまたま聞いてしまった。

Kくんはまさかおんなのこたちの中で
自分の写真を共有されて
自分についてそんなに話題にされてるなんて
思いもしなかったんだろう。

ふとした瞬間、
それからMちゃんは女友達たちにも隠していたけど
Kくんと男女関係にあったみたい。
彼に彼女が居たことを知って、
泣きながらそれを打ち明けた彼女を見て
なんて言葉をかけたらいいかわからなかった。

男女の友情はなくて
下心なく、1対1で優しくしてくれる人は居ないの?

期待が大きかった分、
勝手だけど信頼があった分、
輝いていた彼と、彼への想い。

もともとの失恋の傷口に
くだけ散ったステンドグラスが刺さったみたい。

ステンドグラスは光が当たっていると
キラキラして
透けた綺麗な色が自分のことまで輝かせてくれるようにも見えたりする。

でも近づいて暗いところで見たときに
そのガラスが濁ってることもあるよ。
それにその薄いガラスが
深く深く
刺さったときの衝撃は
普段の失恋よりも大きいのかも。

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