須貝文音さん

社会課題をビジネスで解決/LIFULL・須貝文音さん【肩書きは会社員!働く女性インタビュー】

Lifestyle

vol7.株式会社LIFULL 須貝文音さん
女性が活躍するリーディングカンパニーに潜入!キャリアと向き合いながら、プライベートでも「好き」や「自分らしさ」を追求する4MEEE世代の社員さんにインタビューし、一会社員である女性の等身大の姿をお届けする企画です。

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2022.01.26

田舎の風景を守りたくて、新規事業を提案

須貝文音さん

連載7回目に登場いただくのは、須貝文音(すかいあやね)さん32歳。

茨城県の花農家で育ち、大学入学を機に上京。その後、LIFULL社に新卒で入社し、不動産情報サービス事業の営業マンとして活躍されていました。ですが、入社当初から「田舎の田園風景を未来に残したい」という野望を持っていて、そこにつながる事業をいつか実現したいと夢見ていたそう。

5年前、LIFULL社内ビジネスコンテンストで花の定期便サービスを提案し、見事事業化が決定。その後は1人で新規事業をスタートされました。

プライベートでは1児の母。そして、お腹には出産を間近に控えた第2子が。お子さんが生まれてから育児疎開を決め、現在は家族で須貝さんの地元・茨城県で生活。フルリモートワークで働きつつ、家事育児に奮闘中のようです。

Q.具体的にどんなことをしているの?

須貝文音さん

「社内のビジネスコンテンストで自ら提案した、お花の定期便事業『LIFULL FLOWER(ライフルフラワー)』を運営しています。立ち上げから3年間は1人で奔走していましたが、私の育休・産休を挟み、現在は2名体制。社外メンバーを含めるとおよそ10名のチームになりました。まだまだ少数精鋭なので、お花の仕入れ、営業、システムの仕様書作成、PRなど業務の幅はとっても広いです。

新規事業は、失敗が9割(笑)。既存事業は、先輩がいたり事例があったりするから、目標が立てやすいし追いかけやすいじゃないですか。でも、私たちは0→1をつくっているので、全てがはじめて。参考書を読んで勉強してもそれを実行するのは大変で、現場によって使えるノウハウも違う。9回失敗して、ようやく1つの正解にたどり着く感じ。へこたれる要素はたくさんあるけれど、私はそこも楽しいと感じています。

そもそも、新規事業をはじめたきっかけは、“田舎の風景を守りたい”という理由からでした。お花の消費量は30年間ずっと下がり続けていて、農家の方々はどんどん高齢化しているので、このままだと10年、20年後には実家の花農家のような田園風景はなくなってしまうかもしれない。だから若い世代の方々にもお花を楽しんでもらいたくて、20代後半〜40代前半の女性をターゲットにしたお花の定期便をスタートしました。私のような子育て中のママや、仕事で忙しくしている女性に、ほっと一息つく瞬間を提供したくてはじめたサービス。1ヶ月に1度ネイルを新しくするのと同じように、定期的にお花を飾ることで、明るい気持ちになってほしいです。

その他、私が新規事業を立ち上げることになったビジネスコンテストの運営や、社内経営塾の講師も務めています。私と同じように『新規事業をやりたいけど、どうしたらいいかわからない』『新規事業始めたけど何をしたらいいかわからない』という方へ、事業化に向けたアドバイスを行なっています」

Q.LIFULLで働く理由は?

須貝文音さん

「大学生の頃からずっと変わらず思っていることなんですが、私、『社会課題』を解決するために働きたいんです。LIFULLは、世の中の問題を事業として解決する、ソーシャル・エンタープライズ(社会的企業)。利益を生み出すのと同時に、社会課題を解決へ導くことを会社として掲げているところが、好きなところです。

私はたまたま実家が花農家だったので農業の世界に課題を感じていましたが、もう1歩引いて考えると、貧困や保育園不足など社会の問題ってたくさんありますよね。それらを、人の善意や寄付、心がけで解決するという方法もあると思うけれど、1度ビジネスにしてしまえばその事業が回り続ける限り社会課題の解決につながるじゃないですか。売上も課題解決も両方追うって難しいことですが、そこを突破するのが面白いなと。

あとは、LIFULLの社是でもあるのですが、『利他主義』で良い人が多いのも、魅力だと思います。“周りの人を幸せにすることで自分にも幸せがまわってくる”という考え方を持っている人が集まっているなと感じます。新規事業をはじめた当初、特に感じたのですが、営業しか経験したことない1人ぼっちの若手社員に、快く手を差し伸べて助けてくれる方が多かった。みなさんの力がなければ、ここまで来られなかったなと思います」

Q.QOL向上活動を教えて!

須貝文音さん

「休日やプライベートな時間はやっぱり子ども最優先でいたいです。茨城に移住した理由の多くは、家族との時間を大切にしたいということからでした。子どもを産んでからも私は仕事をしたいし、1つでも多くのことを学んで世の中に貢献できる人でいたいと思っているので、育児と仕事を両立できる環境を整えるために実家の近くに引っ越したんです。夫と家事育児を分担して、自分らしい働き方が推奨されているからできることなので、家族と会社に日々感謝ですね。

でも、子育てにも息抜きは大切なので、夫とお互いの休み時間を作ろうと決めています。夫が子どもと公園で遊んでいる間に、私は近所の銭湯に行ってまったり休息。お風呂時間が私の唯一の趣味なんです。反対に、私が子どもを見ている間、夫は大好きなラーメンを食べに行っています。

あと、最近はキャラクターケーキをつくることも趣味になりつつあります。先日、子どもの誕生日にアンパンマンのケーキを手作りしました。先におじいちゃんおばあちゃんからプレゼントをもらって、そっちに夢中になってしまい、ケーキは見向きもされず終わりましたが……(笑)」

Q.目標や夢はある?

須貝文音さん

「やっぱり、“仕事と家庭の両立”が1番の目標です。女性だから家事をしなきゃいけないとか、子どもを多く見ていなきゃいけないとか、そんな考え方もあるけれど、私は女である前に、社会人で、1人の人間なので、自分のやりたいことと育児のバランスをとって生きたいです。

私が立ち上げた花の定期便事業ももちろん続けていきたいですが、チャンスがあればまた新しい事業にも挑戦したいと思っています。

子どもを産んで、経験しているからこそ感じることがたくさんあるので、子育てにまつわる社会課題を解決したいと思ったり。デジタル技術が世の中に浸透してきた今、農業のIoT化を進めるチャンスが来ているなと思うので、その波に乗りたいなという思いもあったり。私ができることを1つ1つ増やして、構想を実現していきたいです」

なんと、取材日は、第2子出産のため産休に入る前日だったそう。最後の日まで志高く、「社会課題を解決したい」と熱く語る姿は、とても逞しく輝かしい印象でした。きっと、育休後もバリバリ働いて、また新しいことをスタートしてくれれるはず!今後のご活躍が楽しみです。

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Special Thanks:Ayane Sukai(LIFULL)
Photographer : Ayako Nakamura
Interview:4MEEE
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※本内容は取材当時の情報です。

※表示価格は記事執筆時点の価格です。現在の価格については各サイトでご確認ください。

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