【ゾッとする怖い話】「いや、俺じゃない」オカルト研究部が直面した恐怖体験

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古くは室町時代からの歴史がある百物語。
最後の明かりを吹き消したとき、いったいなにが起きるのでしょうか。
今回は、ホラー愛好家の女性に聞いた怖い話をご紹介します。

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底渦
底渦
2024.11.28

オカルト研究部

実話怪談、ですか?

私はホラー映画や怪奇小説、ネット怪談も嗜んでいますが、自分自身が恐ろしい体験をしたのは高校時代の一件だけです。

百物語ってご存知ですよね。
“ろうそくを100本立てて、怪談をひとつ語ったらろうそくの火もひとつ消す”という怪談会です。

高校2年生の夏、オカルト研究部に所属していた私は、部長に誘われて実際にそれをやってみました。

当時の部長は、3年生の男子生徒。
彼は背が高く、他の男子とは違う落ち着いた雰囲気をまとっていて、なにより怪談を語るセンスがありました。

高校生にもかかわらず、動画配信サイトでオリジナルの怪談を朗読する活動も行っていて、私は部長に恋とも似た憧れの感情を抱いていたのです。

『今回のお話はいかがでしたか?それでは、次回もお楽しみに』

毎日のように部長の動画を視聴しては、その才能に感嘆していました。
私が彼の一番のファンだった、といっても過言ではないでしょう。

怪談合宿

暗闇に揺れるろうそく出典:stock.adobe.com

夏休み直前のある日、十数人の部員を集め、部長は宣言しました。

「今年の夏は、怪談合宿をしよう!」

近くの安宿に泊まって百物語をする、そんな企画を立ち上げたのです。

当日集まったのは、9人の生徒。
畳敷きの部屋にレジャーシートを敷き、紙皿の上で100本のろうそくを立てました。

ひとりあたり11話、ホラー愛好家が集まっているとはいえ、決して少ない数字ではありません。

始めは皆、オリジナルの怪談を披露していたものの、次第にどこかで聞いたことのある話も混ざっていきます。
それでも百物語はつつがなく進行され、午前4時、最後の1話を部長が語り始めました。

「これから何かが起こるのだろうか……」私たちは互いの心音が聞こえそうなほどの緊張感に飲み込まれていきます。

そしてついに、部長が最後の光源に息を吹きかけました。

点灯

古い日本旅館出典:stock.adobe.com

重苦しい沈黙の中、私は立ち上がり、手探りで部屋の電気を点けました。

「やっぱり何も起きなかったね……!」

安心したのも束の間、私たちの耳に入ったのは、“プツ……プツ……”という異音。

「テレビの電源、誰か入れた?」

部員の一人が、部屋の片隅に置かれたテレビを指さします。

画面は真っ暗ですが、確かに電源ランプが点灯していました。
“プツ……プツ……”スピーカーが何度目かのノイズを発すると……

『今回のお話はいかがでしたか?それでは、次回もお楽しみに』

部長の声が聞こえました。

「び、びっくりしたー……。もう!部長、やめてくださいよー!」

私たちに隠れて、部長はテレビになにか仕込みをしていたのでしょう。
笑いながら部長を見ると、私たちの予想に反して彼は真っ青な顔をしていました。

「いや、俺じゃない……。こんなイタズラ、誰が……」

ピンポーン、連絡アプリの通知音が一斉に鳴り響きます。

恐る恐る確認すると、部長のアカウントから、それぞれの個別チャットに謎の画像が送られてきていました。

その画像ですか?

誰のものか分からない、胎児のエコー写真でしたよ。

※この物語はフィクションです。
※記事に使用している画像はイメージです。

底渦

◆底渦

中学生で都市伝説にドハマりし、2chホラーと共に青春を駆け抜けたネット廃人系オカルトライター。

怖い話の収集・考察が趣味です。

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底渦

中学生で都市伝説にドハマりし、2chホラーと共に青春を駆け抜けたネット廃人系オカルトライター。
怖い話の収集・考察が趣味です。