【ゾッとする怖い話】「絶対に行かないほうがいい」踏切の見知らぬ“女”の恐怖体験

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踏切の向こう側で手を振る謎の女。
S県在住の20代男性は、この出来事をきっかけに大学時代の親友と距離を置いたそうです。

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底渦
底渦
2025.05.22

友人の話

これは大学時代の友人である、Hに関する話です。

同じゼミに所属していた私たちは、音楽の趣味が合い、出会ってすぐに意気投合。

2人でライブに行ったり、居酒屋で飲み明かしたり、親友として友情を築いていました。

あの日も酒を酌み交わしていた私たち。
だいぶ酔いが回ったころ、Hが真剣な表情でポツリと話し始めました。

「そういえばさ、大学からの帰り道で変なの見たんだよ。
ほら、短い踏切があるだろ?
そこでこの前、変な女を見かけてさ」

彼の話をまとめると、こうでした。

ある日の夜、Hが踏切を渡ろうとすると、カンカンと高い音を鳴らしながら遮断機が閉まっていきます。

ああ、タイミングが悪かったな。
そう思いながらふと正面を見ると、いつの間にか踏切の向こう側に白い服を着た髪の長い女が立っていました。

踏切の女

暗い夜の踏切出典:stock.adobe.com

奇妙なことに、その女はじっとこちらを見つめたあと、胸の位置に挙げた右手をひらひらと振るのです。

見知らぬ女の行動に驚いたHはぐるりと周囲を見渡しますが、辺りに人の姿はありません。

やっぱり、自分に向かって手を振っている。知り合いだったのだろうか……。
Hは女の顔を確認するため、再び正面を向きました。

ファーン。
その瞬間、目の前を通り過ぎていく電車。

遮断機が上がったときにはもう、女の姿はそこにありませんでした。

おかしいな、どこに行ったんだろう。
不思議に思いながらも足を踏み出したHですが、翌日もその女を見かけることになったのです。

ふとスマートフォンから視線をあげると、踏切の向こうに佇む髪の長い女。

昨日は全く知らない顔だと思ったのに、その日は不思議とどこかで見かけた人物のように思えたそうです。

なんだか気まずくなったHは女から視線を外し、踏切を渡りました。

ところがその間、誰かとすれ違うことはなく、後ろを振り返っても女の姿は見当たりません。

Hはいよいよ恐ろしくなって、それ以降、踏切を使わずに遠回りして帰るようになりました。

見覚えのある顔

「……だけど、あの女が誰だったのか、気になって仕方ないんだよな」
そうこぼしたHに、「絶対に行かないほうがいい」と私は釘を刺したのですが……。

数日後、彼からこんな電話がかかってきたのです。

「やばいやばいやばい!」

これまでにないほど取り乱していたH。

「どうしたの?」

「あの女がどうしても気になって、また踏切に行ってみたんだ。
そしたら、あの人の正体がわかったんだよ!」

焦った様子で彼は続けます。

「あれは、俺の顔だ……」

「お前の顔?どういう意味?」
Hはたしか、ひとりっ子のはず。

「俺だってわかんねーよ!でも、長い髪の間から覗いたのが、俺の顔だったんだって!」

「とりあえず落ち着けって!今、どこにいる?」

状況がつかめぬまま、私は取り乱すHを迎えに行こうと居場所を訪ねました。

「いま、大学のほうに向かって……あれ?」

Hの息を飲む音が聞こえます。

「俺、踏切であの女の顔を見たあと、来た道をUターンしたんだよ……。なのに、また踏切が目の前に……」

バンッ、ガサガサ。

長い髪

スマホ、男性の手元出典:stock.adobe.com

スマホを落としたのでしょうか。
耳元で大きな音が聞こえました。

ガサガサッ……。

「もしもし?やっぱり俺の見間違いだったわ」

先ほどまでの狼狽した様子はどこへやら。
平然と言い放つHに、私はとてつもない恐怖を感じたのです。

……その後、彼は何事もなかったかのように大学へ通い、日常生活を送っていました。

しかし、私は疑問に思うのです。
時折、長い髪をかき上げるような動作をする友人は、本当に前と同じ人物だったのか、と。

※この物語はフィクションです。
※記事に使用している画像はイメージです。

 

底渦

◆底渦

中学生で都市伝説にドハマりし、2chホラーと共に青春を駆け抜けたネット廃人系オカルトライター。

怖い話の収集・考察が趣味です。

 

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底渦

中学生で都市伝説にドハマりし、2chホラーと共に青春を駆け抜けたネット廃人系オカルトライター。
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