【本当にあった怖い話】私が心霊スポット巡りをやめた理由。真夜中の廃トンネルで起こった恐怖体験

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今回の体験者である男性。
友人が運転免許を取ったことをきっかけに、心霊スポット巡りを始めたそうです。
「今日は、山奥にある廃トンネルに行ってみよう」
スリルを求める若者がそこで目にしたものとは……。

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4MEEE編集部
4MEEE編集部
2025.06.22

心霊スポット巡り

私には、幼いころから霊感がありました。

金縛りにあうのは、日常茶飯事。
家の中で人型の黒いモヤのようなものを見たり、他の人には聞こえない音を感じたり、物心がついたときからさまざまな体験をしていました。

それでも、テレビに出てくるような霊能力者のように、はっきりと霊や化け物の姿を見たことは一度もなく、小学校にあがる頃にはそういうモノに恐怖を感じることは少なくなっていました。

そんな私が18歳になったとき。

幼馴染が運転免許を取り、もうひとりの友人と私の3人で、夜な夜なドライブに出かけるようになったのです。

はじめのうちは街中を走ったり、少し遠出をして海を見に行ったりしていたのですが、次第にそれも飽きてしまって……。
スリルを求める若者が行くところと言えば、やはり心霊スポット。

私たちも例に漏れず、心霊スポットを巡っては記念写真を撮って帰るのがお決まりでした。

廃トンネル

あの夏の夜も私たち3人は車に乗り込み、県境の山奥にある廃トンネルに向かっていました。

カーブの多い山道で音楽を流しながら、くだらない話で盛り上がる。
いつもと変わらない、楽しいドライブです。

しかし、あと少しでトンネルに着く、というとき。
私は背筋を這うような強烈な悪寒を感じ、謎の吐き気に襲われました。

「今日はやめておいた方がいいかもしれない……」

私が真っ青な顔をしていたからでしょう。
2人も山を下りることに賛成し、私たちはそのまま麓にあるガソリンスタンドへと向かいました。

給油を終え、気分もかなり回復してきたころ。

「なあ。せっかく来たんだから、やっぱりトンネルに行ってみようぜ」

友人のひとことをきっかけに、私たちは再び山に向かってしまったのです。

異様な空気

山奥のトンネル出典:stock.adobe.com

時刻はすでに午前2時すぎ、誰もいない山道を進みます。

20分ほど走ると、山の中でぽっかりと口を開ける古いトンネルの前にたどりきました。

「おお、雰囲気あるな……」
口々に感想を言いながら、車を降ります。

トンネルの前には侵入防止の大きな柵が設置されていますが、右端の鉄の棒が折れており、ちょうど人がひとり通れる隙間がありました。

「やべ……。今日、懐中電灯忘れたわ」
「あちゃー、まあ行けるだけ行ってみようぜ」

私たちはひとりずつ鉄格子の間をすり抜けます。

トンネルの中は、真夏とは思えないほど冷たくて、じっとりとした空気が漂っていました。

ガサ、ガサ、ガサ。
不気味に響く私たちの足音。

しばらく歩いていくと道が右にカーブして、外の街灯の明かりが一切届かなくなりました。

それは、互いの姿も見えない本当の暗闇。
私たちはとてつもない恐怖を感じ、無言のままトンネルを引き返したのです。

写真撮影

大急ぎで来た道を戻り、順番に外へ出ます。
私は一番最後でしたが、暗闇の中から何かが追ってくるような気配を感じ、決して後ろを振り向かないようにしながら柵を越えました。

一旦車に戻り、心を落ち着かせた私たち。
そうして休憩を挟んだあとは、恒例の写真撮影です。

かわるがわる写真を撮り合い、私は街灯の下でふざけたポーズを取りました。

なにごとも無くて良かった……。
安堵しながら山を下り、そのまま深夜も営業しているカメラ屋を訪れ、撮影したばかりの写真を現像します。

今度はどこに行こうか、そんな話をしながら完成を待っていると、店員が申し訳なさそうに1枚の写真を差し出しました。

「あの……ちょっと変なものが写っているんですけど……」

それは、私がひとりでポーズを取っている写真。

……私の足がどこにも写っていません。
さらに、私の右前方にはトンネルの中へ向かって歩く“下半身だけの人”。

「お、俺……黙ってようと思ったんだけど、トンネルの中で女の声を聞いたんだ。真っ暗な中で『おいで、おいで』って、トンネルの奥に誘うような声だった」

幼馴染がこんなことを言いだしたものですから、私たちはあまりの恐ろしさに外が明るくなるまで店を出られませんでした。

それぞれの体験

カメラ出典:stock.adobe.com

しかし後日、あの心霊写真を見ながら、もうひとりの友人も私にこう打ち明けたのです。

「実はあのとき、トンネルの奥に座っている人が見えたんだ。まったく動かないから人形かと思ったんだけど……俺、ずっと目が合っていたんだよ」

この話を聞き、私もずっと気になっていたことを友人に話します。

「一度山を下りたあと、『やっぱりトンネルに行ってみようぜ』って言ったの、誰の声でもなかったよな……?」

……それ以降、私たちが心霊スポットを訪れることはありませんでした。

霊感体質の私はその後もたびたび、忘れたくても忘れられない恐ろしい体験をすることになるのですが……
それはまた別の機会に。

(AInoaru /男/40代前半)

※この記事は読者から寄せられた体験談を元に、一部編集を加えて作成しています
※記事に使用している画像はイメージです

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