【ゾッとする怖い話】「ねえ、さっき誰と喋ってたの?」廃校で回したカメラに映るのは

Lifestyle

廃校といえば夜の怪談を思い浮かべがちだが、実際に足を踏み入れてみると、昼間でも妙な気配が漂っていることがある。
イベント準備で入った都内の廃校で、僕は“あり得ないもの”を耳にしてしまった。

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廃校での準備

廊下出典:stock.adobe.com

近年、都内でも児童数の減少により廃校が増えている。
この校舎も都から売却され、今では個人が買い取り、貸しスタジオとして利用されていた。

その日は配信イベントの準備で、午前から僕を含めてスタッフ5人が入っていた。
午後には配信者やタレントたちが来る予定で、それまでに楽屋やケータリング、トイレの確認まで済ませねばならない。

僕は備品を運ぶために何度も廊下を往復する。
昼間のはずなのに古い磨りガラス越しの光は薄暗く、壁の塗装も剥げ落ちていて、人気のない廊下は妙に不気味さを増していた。

廊下に響くもの

2階に上がって備品を置き、また廊下を歩いていたとき。
“コツ、コツ”と、遠くから誰かが近づいてくる足音がした。

ほかのスタッフだろうと思ったが、廊下の角を曲がっても誰の姿もない。
首を傾げながら戻ると、背後で“ガラリ”と音がした。

振り返ると、教室の扉が少しだけ開いている。
気のせいだろうと思い直し歩き出すと、今度は向かいの教室の扉が“ガラリ”と開いた。続けざまに、廊下に並ぶ扉が一つずつ順番に開いていく。

僕の額には、冷たい汗が滲んだ。

記録された声

学校の扉出典:stock.adobe.com

慌てて控室に戻ると、別のスタッフが怪訝そうに言った。

「ねえ、さっき廊下で誰と喋ってたの?」

もちろん僕じゃない。
彼は机の上のモニターを指差す。設営確認のため回していたカメラが、廊下を映していたのだ。

そこには誰もいない廊下が広がっている。
だが音声を巻き戻すと、「はやく」「まって」と、複数の子どもの声がはっきり残っていた。

昼間なのにありえない。僕たちは顔を見合わせる。

“ギィ……”

そのとき、廊下の方で長く軋む音がした。
モニターに目をやると、さっきまで開いていた教室の扉が一つ、ゆっくり閉まっていく。

そして僕は、見てしまった。

扉の隙間から伸びた小さな手が、確かにそれを押し戻していたのを。

※この物語はフィクションです。
※記事に使用している画像はイメージです。

斎 透(さい とおる)

◆斎 透(さい とおる)

noteにて短編小説を執筆中の、犬と暮らすアラサー女子です。
やるせない夜にそっと寄り添うような文章をお届けしています。
幼い頃から、オカルト好きな母と叔母の影響で、不思議な話に夢中に。
「誰でも一つは、背中がひんやりする話を持っている」をモットーに、
ゾッとするけど、どこか温度のある物語を綴っています。
美容やキラキラした話題に疲れた夜、よければ一編、覗いてみてくださいね。
●note:https://note.com/sai_to_ru

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斎 透(さい とおる)

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「誰でも一つは、背中がひんやりする話を持っている」をモットーに、
ゾッとするけど、どこか温度のある物語を綴っています。
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