出産後初、公の場に登場した板野友美さん
2021年10月に第1子を出産したことを発表した、アーティストや女優としても活躍する板野友美(いたのともみ)さん。この日は、出産後初、約2年半ぶりの公の場となりました。コロナ禍での初めての妊娠・出産について、「ずっとおうちにいて、一人で悩むことも多かったけど、気分転換にメイクや自分磨きをしたら明るい気持ちになれたんです。メイクやファッションで自分を飾ることは、内面から元気になるということを知りました」と語りました。
そして、イベント終了後に板野さんへ4MEEEスペシャルインタビューが実現。
母となった板野さんに、女性が活躍する社会についてのお話を聞きました。
自分のタイミングで結婚や妊娠ができる社会に
————女性が活躍する社会とは、どんな社会だと思いますか?
バックグラウンドに関係なく、行動したいと思ったときに行動できるような社会ですかね。私自身が妊娠、出産を経験して感じるのは、女性だけが担える妊娠、出産という大きな仕事が、女性が社会で活躍できない理由になることがあるということ。例えば、海外の女性アスリートは現役中に出産をして、産後も現役を続ける人がたくさんいるそうです。今の日本は、現役中は妊娠を考えられないという人が多いと思うのですが、現役中でもその人のタイミングで子どもを産むという選択ができるようになるのが理想だと思います。結婚や妊娠を自分が望むタイミングでできるようになれば、より女性が活躍できる社会になるのではないでしょうか。
————そういう社会になるために必要なことはなんだと思いますか?
妊娠・出産に関していえば、子育て世帯をサポートするものや場所が今後さらに増えていくと良いですよね。そして何より、自分自身が「母親だから」とか「結婚したから」といって、可能性を狭めないことが大切だと思います。
————「国際女性デー」は、女性の生き方を考える日でもあるのですが、板野さんが女性であることに喜びを感じる瞬間はどんなときですか?
女性って、一生女性だなと感じるんです。母親になっても、年齢を重ねても、美しくありたいという気持ちはどんどん増えていきます。旦那さん*からは、いつまでも女性として見られたいし、そう見てもらえることが女性としての喜びになるなと思います。そのためには、自分を整えたり、美を怠らない流れを生活の中に組み込んでいったり。そうすることで、いろいろなことへのモチベーションにもなるし、気持ちを強くしてくれるように感じます。
*……2021年にプロ野球の高橋奎二(たかはしけいじ)選手とご結婚
誰かのために生きるほうが力を発揮できる
————板野さんにとって、“豊かに生きる”とはどんな生き方ですか?
旦那さんと出会う前は野球を全く知らなかったけど、野球を知るようになってたくさんの刺激をもらったり、子どもが興味を持ったものが、私の人生に影響を与えてくれたり。独身時代は、自分の興味があることだけで生きていたけど、家族を持ってから誰かのために生きること、世界が広がっていくことが人生を豊かにしてくれていると感じるようになりました。
————豊かに生きる中で、ご家族の存在は大きいですね。
私は、20代まで自分の人生を存分に楽しんで生きてきました。あるとき、「自分のことだけを見つめて、これから先を生きていくのは難しいな」と思ったんです。そのタイミングで、結婚・妊娠・出産を経験しました。旦那さんと子どもがいる人生を生きながら、人は誰かのために生きるほうが力を発揮できるんだなあと感じています。
————ママになって感じることはたくさんあると思いますが、その中でもより強く感じることはなんですか?
子どもができたことで得る喜びは大きいということです。自分以外に、すごく大切な存在ができるというのは今までには感じたことのない感覚。子育てはもちろん大変なこともあるけど、プラスになった部分のほうが多いです。
————産後、メイクやファッションの楽しみ方に変化はありましたか?
ママになっても自分が着たい服を着て、好きなメイクをしたいと思っています。ママになったからといって、自分らしさを封印しなきゃいけないなんてことはないです。海外の女性は、ママになっても自分らしくあるという発信をしている人が多いので、日本でもそういうことを発信していく人が増えていくと良いなと思います。“ママだからこうしなきゃいけない”ということが多いと、ママになるということに負担や不安を感じる人が増えると思うんです。そういうネガティブ要素が1つでもなくなると、楽しんで向き合えるようになるんじゃないかなと。何より自分らしく生きることで、前向きな気持ちになれるというのはすごく大切なことですよね。
1歩踏み出してみたら道が作られていく
————娘さんには、どのような人生を生きてほしいと思いますか?
やりたいと思うことを見つけたら諦めずに突き進んでほしいです。やりたいことや目標が見つかっても、何かの理由であきらめなきゃいけないというのはすごくもったいないこと。親としては、娘が何かやりたいと思ったときに挑戦できる環境を整えてあげたい。そして、諦めなければ叶えられるということを私が実践して、その背中を見せていきたいですね。娘が大人になる頃には、「仕事が忙しいから結婚ができない」とか「やりたいことがタイミング的にできない」という社会ではなくなっていると良いなと思います。
————背中を見せていくって素敵ですね!
今、30代になって新たな挑戦をしています。母親になってからでも、「やりたい!やってみよう!」と思ったことに1歩を踏み出すことができました。それは、一人で無理だと判断せず、周りのサポートも得ながら前に進もうと思えたからです。そういう姿を、娘や社会に見せていくってすごく大事だなと思っています。
————最後に、4MEEE読者に向けてメッセージをお願いします。
やりたいなと思うことがあったら、まずは1歩踏み出してみてください。私も「やる」と決めたことを全力でやって何かが変わったという経験をたくさんしてきました。できないかも……と思っていたことも、1歩踏み出してみると、不思議と道が作られていくんです。だから私は、“思ったら即行動”ということ大事にしています。これまでの人生、それで後悔をしたことは一度もないんです。慎重になることも大事だけど、できないかもっていう不安で、自分の可能性を狭めてしまうのはもったいないです。1歩踏み出して、世界を広げてみてください。また、今後はもっと女性をエンパワーメントしていけたらいいなと思っています。私がプロデュースしているブランド『Rosy luce(ロージールーチェ)』にもそんな思いをたくさん込めているので、ぜひ楽しみにしていてほしいです。
妊娠、出産、そして子育てという経験をしたことで、これまでとは違った視点から女性が活躍する世の中について考えるようになったという板野さん。2021年に立ち上げたライフスタイルブランド「Rosy luce」のブランドフィロソフィーには「ずっと私らしく。もっと自分を愛してあげましょう」という言葉が。板野さんが今、すべての女性に届けたいメッセージが詰まっているように感じます。一人の女性として、そしてママとして、今後さらに活躍の幅を広げていく板野さんに注目です。
◆Rosy luce
板野友美さんが手掛けるブランド。【このダイバーシティにおいて、バックグラウンドに関わらず、女性がもっと自分らしく輝ける時代になってほしいとおもいます。その時、一歩前進できる“きっかけ”を作りたいという想いから『Rosy luce』というブランドは生まれました】がコンセプト。
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Model:Tomomi Itano
Photographer : Chiai
Writer:Kahori Uehara
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