【ゾッとする怖い話】トンネルで聞いた気味の悪い声。その言葉の意味が怖すぎる

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トンネルでは心霊現象が多く起こるといわれています。
暗くジメっとしたトンネルの中は、霊が集まりやすいのだとか。
今回は、初めて訪れたトンネルで男性が体験した、怖い話をご紹介します。

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松木あや
松木あや
2024.10.06

トンネルの途中で

狭いトンネル出典:stock.adobe.com

一人旅が趣味の私は、車一つで休日に気ままなドライブ旅を楽しんでいました。

その日は少しだけまとまった連休が取れたこともあり、少し足を延ばした旅先へ。
とくに予定も決めず、自由気ままに観光地を巡っていると、土砂降りの雨に見舞われてしまいました。

車に戻り様子を見ていましたが、当分は止みそうもありません。
少し早いけどもう夕方だし、今日はもう休もう。車中泊にするか、どこかホテルを探すかなどと考えながら車を走らせていると、あるトンネルに差し掛かりました。

暗いトンネルに車を走らせていると、少し先に人影が見えました。

「……ん?」

その人影は、トンネルの壁に向かって、しゃがんでいる男性でした。

なにしてるんだ……?と思いながらも、一度は通り過ぎました。
事情はわからないけど、雨宿りをしているのかもしれないし。それか、トンネルでなにか作業をしている人なのかも。

でも、もし体調の悪い人だったら?
先ほどの人物が心配になった私は、再びトンネルへと引き返しました。

反応を示さない男性

「あの、大丈夫ですか?」

車に乗ったまま、少し離れた場所から、私は男性に向かって声をかけました。
男性には私の声が届いていないのか、とくに反応がありません。

「あのー!どうかされましたかー?どこか、痛みますかー?」

今度は確実に聞こえるほどの大声で呼びかけます。しかし、まったく反応がありません。
せっかく心配して声をかけたのに反応がなく、なんだか変な気恥ずかしさと腹立たしさを感じた私は、もういいやと諦めることにしました。

さて、近場のコンビニはどのあたりかなと軽くスマホを操作したあと、運転を再開するために顔を上げると……

「えっ……!?」

先ほどの男性が、いなくなっているのです。

私は驚き、車の外に出て辺りを見回しました。
目を離したのはほんの10秒ほどのこと。こんな短時間でどこかに行ってしまうなど、考えられなかったのです。

だんだん血の気が引き、気分が悪くなってきました。
さっさとこんなトンネルは抜けてしまおう。そう思って車に乗り込もうとした、その時です。

「う、ううあぇ……うぅうあえ……ううあぇえ……」

突然、呂律の回らない声だけが、耳元で響きました。

男性が訴えていたことは……

運転席でハンドルを握る手元出典:stock.adobe.com

その後は無我夢中で車を走らせ、逃げるようにトンネルから遠ざかりました。

あのとき耳元に響いた、気味の悪い声。
今でも鼓膜にこびりついて離れず、何度も頭の中で反芻されるうち、気付いたことがあります。

あの声は「ゆ る さ ね え」と、繰り返していたのではないかと。
男性はなにかの恨みをもって、あの場所に留まっていたのでしょうか……。

もちろん、もう確かめに行くつもりはありません。
あなたも初めてのトンネルを通る際は、ご注意を。

※この物語はフィクションです
※記事に使用している画像はイメージです

 

松木あや

◆松木あや

ホラーやオカルトが好き。在住する東北の地で、ひんやりとした怖い話を収集しています。
恐怖体験の「おすそわけ」を楽しんでもらえると嬉しいです。

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松木あや

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