【ゾッとする怖い話】電車でぴったりと寄り添う女性。気味が悪い恐怖体験

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人もまばらな夜の電車内。
あなたはホッとしますか?それとも、どこか気味の悪さをかんじますか?
今回は、人けの少ない夜の電車で起こった怖い話をご紹介します。

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松木あや
松木あや
2024.10.03

中年男性の態度

電車の吊革出典:stock.adobe.com

地元から少し離れた高校に通う私は、電車で通学していました。
その日は用事があったので、いつもよりも遅い電車で帰宅をすることに。

夜の車内は、乗客もまばらでした。私はなるべく人の少ない車両を選び、席に腰掛けます。
すると、少し離れた席に座っていた中年男性と目が合いました。

男性は私を見るなり、いきなり舌打ちをしたかと思うと、“フン”と目を逸らします。

嫌な態度だなぁ。ああいうおじさんは、きっと家でも会社でもあんなかんじなんだろう。そう思ってスマホゲームを始めると、いつの間にか眠りに落ちていました。

身に覚えがない質問

「……い、おい、兄ちゃん、おい!」

しばらくすると、私は男性の声で目を覚ました。
顔を上げると、先ほどの中年男性が私に話しかけているのです。

怪訝に思いながらも、なんですか?と私が返事をすると、

「ちょっと、来い……!」

突然の言葉に、私は意味がわからないといった表情で返します。
おじさんは強引に私の手を引き、たまたま停車していた駅に引きずり降ろしました。

「ちょっと、なんなんですか!」と、抗議の声を上げる私。

するとおじさんは少し時間をおいて、自分を落ち着かせるように話し始めてくれました。

「……兄ちゃんは、ずっと一人だったかい?」

隣には、ずっと……

夜の駅のホーム出典:stock.adobe.com

私が電車に乗車してきたとき、ぴったりと寄り添う女性が視えていたのだそう。
最初は、二人があまりに密着しているので、人目も気にせずイチャついているカップルに見えていたのです。

しかし、私は彼女に一切目もくれず、スマホばかり見ていました。その間も、彼女は私にずっとなにかを一生懸命話しかけていたのだといいます。
そんな健気な彼女を無視してスマホばかりいじっている私に、おじさんはイライラしてきました。

けれど、なにかがおかしい。
私の態度は無視をしているというより、まるで“見えていない”ようだったと。

いわゆる、おじさんは“視える”人。
けれどそれが生きている人間なのか、それ以外なのか判別はできないのです。

おじさんは恐る恐る私たちに近付き、彼女の声に耳を傾けたといいます。すると、

「一緒に死ぬ?ねぇ、一緒に死ぬ?ねえ……死んでくれるよね?ね?一緒に死ぬよね?ねえ、ねえ、ねえ」

一心不乱に、それだけを口にしていたといいます。

「兄ちゃん、もうなるべくあの電車には乗るな。無理ならせめてあの時間帯は避けろ。あの子、俺たちが降りたあともずっと兄ちゃんのこと見てたぞ」

その夜風呂に入ると、左腕には鬱血した手形のような見覚えのない跡がついていました。

※この物語はフィクションです。
※記事に使用している画像はイメージです。

 

松木あや

◆松木あや

ホラーやオカルトが好き。在住する東北の地で、ひんやりとした怖い話を収集しています。
恐怖体験の「おすそわけ」を楽しんでもらえると嬉しいです。

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松木あや

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