【ゾッとする怖い話】「ねぇ、こっちだよ」古いロッカーで起きた恐怖体験

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街中にひっそりと佇む、古いコインロッカー。
開かずに放置されたコインロッカーには、どんな理由があるのでしょう。
今回は、そんな古いロッカーにまつわる怖い話をご紹介します。

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松木あや
松木あや
2024.10.17

開かずのコインロッカー

錆びたコインロッカー出典:stock.adobe.com

私の職場が入るビルの近くには、古いコインロッカーがありました。

旅行者などはほとんど来ない街なので、そのコインロッカーが利用されることはそう多くはありません。
そして、そのロッカーがあまり使われないことには、もう一つの理由がありました。

その並びに一つだけ、開かずのロッカーがあるのです。

中には人間のミイラが入っているだとか、人骨が入っているだとか。噂話もありましたが、どれもありきたりな例え話でした。

それは、ある夜のこと。
同僚との飲み会のあと、忘れ物を思い出した私は、会社までの道のりを一人で戻っていました。

「ん……?」

いつも通りロッカーの横を通り過ぎようとすると、開かずのロッカーの扉が開いているのです。

「ねぇ」

古いコインロッカー出典:stock.adobe.com

これはいい話のネタになる。酔っていたこともあり、恐ろしさよりも好奇心が勝りました。

遠目からでは、中は真っ暗でなにも見えません。
一歩一歩、ロッカーとの距離を詰めていきました。

覗いても、きっと何もない。
そうわかっていても、体がカタカタと震えてくるようでした。

そして、手が届くほどの距離まで辿り着き、ロッカーを覗き込むと……

「……はぁ、なーんだ」

思っていた通り、中には何も入っていませんでした。
ありきたりな噂話を真に受けて、一瞬でも期待した自分がバカらしくなり、ため息を吐きます。

さあ、忘れ物を取って、さっさと家に帰ろう。
屈んでいた腰を戻し、顔を上げたとき……

「ねぇ、こっちだよ」

もう一つ上の、扉が開きました。
狭いロッカーの中。青白い生首が、目の前で笑っていました。

※この物語はフィクションです。
※記事に使用している画像はイメージです。

 

松木あや

◆松木あや

ホラーやオカルトが好き。在住する東北の地で、ひんやりとした怖い話を収集しています。
恐怖体験の「おすそわけ」を楽しんでもらえると嬉しいです。

※表示価格は記事執筆時点の価格です。現在の価格については各サイトでご確認ください。

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松木あや

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