【ゾッとする怖い話】この運転手、なにかおかしい。夜のバスで起こった恐怖体験

Lifestyle

通勤通学やお買い物で、毎日利用されている方も多い路線バス。
しかし、そんな動く密室で、運転手が異常な行動を始めたら、あなたはどうしますか?
今回は、なにげない日常に潜んでいた怖い話を紹介します。

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底渦
底渦
2024.10.28

遅くなった帰り道

これは、私が高校生の頃の話です。

文化祭を間近に控えたその日、私は友人たちと学校に居残り、模擬店の準備に精を出していました。

気づけば、時刻は午後8時。

「そろそろ帰れよー」

廊下から聞こえた担任の言葉を合図に、私たちはそれぞれの帰路につきました。

高校から、私の家まではバスで30分。

親が厳しく、塾にも通っていない私は、こんな時間に一人で出歩くことは初めて。
まるで冒険をしているかのような、かすかな胸の高鳴りすら感じていました。

バス車内にて

夜道を走る路線バス出典:stock.adobe.com

予定時刻から遅れること10分。
やってきたバスに乗り込むと、文化祭の準備で疲れていた私は、すぐに眠りに落ちてしまいました。

どれほど時間が経ったのでしょう。
ふと目を覚ますと、バスは私が下りるバス停の数個前に停車するところでした。

周りを見渡すと、乗客は私と初老の男性の2人だけ。

“プシュー……ガシャン”

乗降口のドアが音を立てて開きます。

しかし、男性が降りる素振りはないし、誰かが乗ってくる様子もありません。
「あれ、なんで停まったんだろう……」バスの不思議な動きに、違和感を覚えます。

“ガシャン”

何事もなかったかのようにドアは閉じ、バスは再び走り出します。
しかし、数百メートルほど行ったところで、またバスは停車してしまいました。

もちろん私も男性も、降車ボタンは押していません。

誰もいないバス停で、ドアが開閉し、また走り出す。
そんなことを数回繰り返し、ついに男性が「我慢ならない」といった表情で、運転席に近づいていきました。

「なに、ちんたら運転してんだ!誰も待ってねーだろ……ヒッ……!」

なにかに驚いた様子の男性が、顔を真っ青にして、ふらふらと元の座席へ戻っていきます。

「なんまんだぶ……、なんまんだぶ……」

怯えたように身を縮め、手を合わせながら必死に念仏を唱える男性。
その異様な光景と、運転手のおかしな行動で、私はすでに恐怖のどん底へ叩き落されたような気分でした。

乗っていたのは……

夜のバス停出典:stock.adobe.com

とても長い時間が経ったような気がします。
しかし、実際は数分のことだったのでしょう。

ようやく自宅近くのバス停に到着し、私は逃げるように席を立ちました。
そして、車内前方で運賃を支払うとき、見てしまったんです。

フロントガラスに映った、こちらを見つめるたくさんの人影を。

それから私はバスに乗るとき、決してフロントガラスを見ないようにしています。
そうでないと、この世のものではない何かと目が合ってしまうかもしれないから。

※この物語はフィクションです。
※記事に使用している画像はイメージです。

 

底渦

◆底渦

中学生で都市伝説にドハマりし、2chホラーと共に青春を駆け抜けたネット廃人系オカルトライター。

怖い話の収集・考察が趣味です。

   

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底渦

中学生で都市伝説にドハマりし、2chホラーと共に青春を駆け抜けたネット廃人系オカルトライター。
怖い話の収集・考察が趣味です。