【ゾッとする怖い話】「変な話をしてもいいですか?」肝試しが招いた恐怖体験・前編

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ちょっとしたスリルを味わいたい!
そんな気持ちで心霊スポットを訪れる方も少なくないでしょう。
しかし、安易な肝試しの結末には、身の毛もよだつ恐怖が待っているかもしれません。

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底渦
底渦
2024.10.30

カウンセリング室にて

Aさんが私のカウンセリングを受けに訪れたのは、つい2週間前のことでした。

「あの、変な話をしてもいいですか……?」

若者らしい筋肉質な体とは対照的に、クマの目立つ、やつれた顔が印象的なAさん。
精神科医からの診断書によると、彼には妄想の症状や、記憶が混濁し取り乱してしまう症状があるそうです。

「もちろん、なんでもおっしゃってください」

私がそう返事をすると、Aさんは鼻から大きく息を吸い、重い口を開きました。

「大抵の人はそうだと思うんですけど、俺は生まれたときから、霊感なんてものは持ち合わせていません。幽霊を見たこともなければ、有名なパワースポットに行っても全然効果が分からないくらいで……」

思いがけない話の内容に驚きつつも、手が震えているAさんの話を頷きながら聞きます。

「だからあのとき肝試しに行ったのも、ただの悪ノリというか、“怖い雰囲気を味わいたい”という軽い気持ちだったのですが……」

男性患者の話

夜の繁華街出典:stock.adobe.com

先月、大学時代の悪友から久しぶりに連絡がありました。

「もうすぐ卒業して5年だろ。区切りもいいし、久しぶりに会わない?」

ちょうど彼女にフラれたばかりで、暇を持て余していた俺はすぐにその誘いに乗り、同じく仲の良かったもうひとりの友人にも声をかけました。

当日、居酒屋に集まった俺たちは、思い出話に花を咲かせ、気が付けば時刻はすでに深夜1時。

「あ、もう終電終わってるわ。どうする?カラオケでも行く?」

「そういえばこのまえ面白い話を聞いたんだよ。ここから車で1時間くらい行ったところにある山の中のトンネルにさ、出るんだって、幽霊」

その話をした友人がたまたま車で来ていたこともあり、俺たちは暇つぶしがてら、幽霊が出るというトンネルに向かいました。

「なんか出たらどうする?」
「俺、おまえらのこと置いて逃げるわ」
「おい、置き去りにするなよ!」

このあと、恐ろしいことが起きるとも知らずに、俺たちは高揚した気分でそんな冗談を言い合っていました。

山の中のトンネル

山の中の暗いトンネル出典:stock.adobe.com

それから1時間車を走らせて、ようやく噂のトンネルに到着しました。

「おー、確かに雰囲気あるな」
「まじでなんか出そう……」
「なんだよ、ビビってんのかよ」

トンネルの手前に車を停め、俺たちは歩いて中へと向かいます。

「このトンネル、かなり古いよな」
「な、年季入ってる」
「出口も真っ暗だし、どこまであるのか分かんないな」

草木も眠る丑三つ時。
恐怖心を紛らわすために、適当な会話を続けます。

しかし、入り口から数分歩いたところで俺たちは思わず足を止め、息を飲みました。

トンネルの壁が途切れ、突如現れた3平方メートルほどの広いスペース。
その中央に、大きな鳥居が立っていたのです。

※この物語はフィクションです。
※記事に使用している画像はイメージです。

 

底渦

◆底渦

中学生で都市伝説にドハマりし、2chホラーと共に青春を駆け抜けたネット廃人系オカルトライター。

怖い話の収集・考察が趣味です。

   

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底渦

中学生で都市伝説にドハマりし、2chホラーと共に青春を駆け抜けたネット廃人系オカルトライター。
怖い話の収集・考察が趣味です。