【ゾッとする怖い話】この女性、なんかおかしい。一人暮らし中に起きた恐怖体験

Lifestyle

ある日から、マンションのフロアで見かけるようになった女性。
女性の振る舞いは、次第に不気味な印象に……。

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松木あや
松木あや
2025.03.16

ドアの前の女性

つきあたりの茶色い扉の部屋出典:stock.adobe.com

当時、一人で住んでいたマンションでの出来事。

外出から戻り、エレベーターで自分の部屋があるフロアへと向かいました。
私の部屋はエレベーターを降りて、つきあたりのところにあります。

エレベーターを降りると、誰かが立っているのが見えました。
20代くらいの女性でしょうか。ドアの方向に向いて立っているため、その顔は見えません。

「そこにはつい最近引っ越しがあったから、今は入居者がいないはず。なのになんで?」という気持ちはありました。
しかし、それ以上はとくに気にも留めることなく、その日はそのまま自分の部屋へと入ったのです。

翌日も、その女性は部屋の前にいました。

とくになにかをしている様子もないのですが、ただ黙ってドアを向いて立っているのです。
「もしかして、少しおかしな人……?」などと考え、なるべく関わらないように物音を立てずその場を後にしました。

気付かれた

明くる日も、女性はあの部屋の前にいました。
私はなんだか恐ろしくなり、また忍び足でその場を後にしようとしましたが……

“ガシャン”

持っていた傘を落としてしまい、物音を立てると……

「ひぃ……っ!」

女性は、首を“ぐるん”と真後ろに回し、こちらを振り返りました。

初めて見る女性の顔は、異様そのもの。
皮膚はしわくちゃで、目は落ち窪み、ぽっかり開けた口元は歯が全くないのでしょうか……全体的に“だらん”と垂れ下がった印象でした。

恐ろしくなり、私は慌てて部屋へと入りました。

しかし……

“ピンポーン”

室内に鳴り響く、ドアチャイムの音。
まさかと思い、ドアスコープを覗くと……

「っひ、ひぃいいっ!」

あの女性が、険しい表情でドアの前に立っていました。

監視カメラ

アパートの玄関出典:stock.adobe.com

しばらくすると女性の姿はなくなっていましたが、また時間が経てばチャイムが鳴り、そんなことが数日ほど続いたのです。

「こんな不審者に目をつけられては、適わない……」私は、マンションの管理人に話をしにいきました。
すると管理人は、意外な言葉を口にしたのです。

「あなたも、ですか……」

なんでも、最近引っ越してたあの部屋の住人。
その住人も私と全く同じことを、何度も訴えにきていたのだといいます。

しかし、監視カメラを確認しても、あの女性の姿は一切映っていなかったのだと。
住人は「そんなはずはない」と、何度も話をしにきたようでしたが、ついには退去してしまったようです。

管理人は、きっと住人の“被害妄想”だと思っていたといいます。
それも当然です。監視カメラには女性の姿など映っていないのだから……。

その場で私の映像も見てもらいましたが、やはりそこには女性の姿はなく、ただマンションのフロアで怯える私の姿だけが映っていました。

管理人からは「実態のない存在だから、気にしなければ大丈夫」と笑いながら引き止められましたが、そんなふうに思えるはずもありません。

私もその後すぐ、部屋を引き払いました。

※この物語はフィクションです。
※記事に使用している画像はイメージです。

松木あや

◆松木あや

ホラーやオカルトが好き。在住する東北の地で、ひんやりとした怖い話を収集しています。
恐怖体験の「おすそわけ」を楽しんでもらえると嬉しいです。

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松木あや

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