【ゾッとする怖い話】髪の長い女性が写る写真。引っ越し先のアパートで起きた恐怖体験

Lifestyle

初めての一人暮らしで、引っ越してきたとあるアパート。
父親が部屋で撮った写真には、なにかが写っていたようで……。
今回は、そんな写真にまつわる怖い話をご紹介します。

― 広告 ―
松木あや
松木あや
2025.03.13

新居

ドアの向こう畳の部屋出典:stock.adobe.com

これは私が大学進学を機に、初めて親元を離れて一人暮らしをはじめたときのお話。

その日は、アパートで過ごす初めての日でした。

引越し業者が荷物を運んでくれるのは明日。
両親も引っ越し作業を手伝ってくれるということで、前乗りして3人でこのアパートで寝泊まりをすることに。

父親が記念に写真を撮ろうと、インスタントカメラを使って何枚か写真を撮りました。
当時は今ほど携帯電話も流通しておらず、こういったインスタントカメラでの記念撮影が主流の時代です。

父親からの電話

無事に引っ越しも終了し、アパートでの生活が始まって一週間ほどが経った頃、父親から電話がありました。

最初はなにやらモゴモゴと言い淀んでいたようでしたが、よく聞くと「心霊写真が撮れてしまった」とのこと。
どうやら、あの引っ越しの前日に撮った写真のことを言っているようです。

私は心霊の類を全く信じていなかったため、父親の言葉も話半分で聞いていました。
しかし父親は、「危ない部屋かもしれない」「今からでも別の部屋にしたほうがいいんじゃないか」と話すのです。

せっかく大変な思いをして終わらせた、引っ越し作業。
今からもう一度、あんなめんどうなことをしたくはありません。

父親はなにやら納得がいっていないようでしたが、「大丈夫だから、心配しないで」と話を終わらせ、電話を切りました。

息苦しさに目が覚めて

古いアパートのキッチン出典:stock.adobe.com

その日の夜中、妙な寝苦しさに目を覚ましました。
どこか息が苦しく、うまく呼吸ができないような感覚がしたのです。

「けほっ、けほっ」

苦しい喉を抑えながら、台所へ水を飲みに向かいました。
すると徐々に呼吸もスムーズになり、落ち着きを取り戻します。

しかし再び布団へ戻ると、またもや呼吸が乱れ始めました。
先ほどよりも強い息苦しさに、私は本格的に焦りを感じはじめます。

「救急車を呼ばなくては」と電話へ手を伸ばしますが、あと少しのところで指が届きません。
そうして電話へと手を伸ばしながら、薄れゆく意識の中、ぼんやりと視界に捕らえたのは……

「なっ……だ、だ……れ……っ」

部屋の角に立つ、髪の長い女性の姿でした。
いや、正確には、立っているのではありません。

女性は部屋の隅で、首を吊ってぶら下がっていたのです。

あの写真にも……

目を覚ますと、朝になっていました。

眠ったというよりも、気絶したのでしょう。
目覚めは良くありませんでしたが、昨夜の死を意識する苦しさを思うと、無事に生きている事実に安堵し涙が溢れます。

私はすぐに父親に電話し、例の写真のことを尋ねました。

するとやはりあの写真にも、髪の長い女性のようなものがぼんやりと写っていたというのです。
そう、私が見たのと同じように、あの部屋の角に……。

父親は今日神社へ行き、その写真をお焚き上げするつもりだったのだといいます。

もちろんその写真はお焚き上げを頼み、合わせて私はすぐにその部屋を引き払うことを決意しました。
そのアパートが今はどうなっているかはわかりませんが、私の人生での心霊体験は前にも後にもあの一度きり。

もう二度と、あのような体験はしたくありません。

※この物語はフィクションです。
※記事に使用している画像はイメージです。

松木あや

◆松木あや

ホラーやオカルトが好き。在住する東北の地で、ひんやりとした怖い話を収集しています。
恐怖体験の「おすそわけ」を楽しんでもらえると嬉しいです。

※表示価格は記事執筆時点の価格です。現在の価格については各サイトでご確認ください。

― 広告 ―
松木あや

ホラーやオカルトが好き。在住する東北の地で、ひんやりとした怖い話を収集しています。
恐怖体験の「おすそわけ」を楽しんでもらえると嬉しいです。