【ゾッとする怖い話】この音、“雨漏り”じゃない。団地の空室にまつわる恐怖体験

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今回の体験者は、引っ越し先の部屋でとある不思議な現象に悩まされていました。
住人トラブルでも、設備トラブルでもない、その現象の正体とは。
あなたも知らないうちに、恐怖と隣り合わせの生活をしているかもしれません……。

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松木あや
松木あや
2025.04.03

深夜の雨漏り

外から見た団地の窓出典:stock.adobe.com

結婚を機にとある団地へと引っ越してきた私は、ある現象に悩まされていました。

“ぴちゃん、ぴちゃん、ぴちゃん”

それは、夜中になると聞こえる水の音。

台所や風呂場の蛇口を確認するも、水が出ている様子はありません。
むしろそれは、夫婦で寝ている寝室から聞こえているようなのです。

「雨漏りかなんかじゃない?」

夫が言う通り、それはまるで雨漏りのような音。

しかし、上の部屋は誰も住んでいない空室でした。
水道の配管が経年劣化でもしているのだろうかとも考えましたが、部屋のどこを見て回っても、水が垂れている様子はないのです。

目に見える被害がないのであれば、管理人へも連絡しようがありません。
ほとんど毎晩のように聞こえるその音に不快感はありましたが、私たち夫婦はひとまず様子を見ることにしました。

水音と重なる、うめき声……

“ぴちゃん、ぴちゃん、ぴちゃん”

その晩もまた、寝室の中で聞こえるあの音。
それに加えて、今日は……

「うぅ……うぅぅ……ひいいぃ……」

男性の悲痛なうめき声までも聞こえてくるのです。
さすがに気味が悪くなった私たち夫婦は、顔を見合わせて布団から起き上がりました。

“ぴちゃん、ぴちゃん、ぴちゃん”

滴るような水音の中、夫が手探りで電気スイッチまで足を伸ばします。すると……

「な、なんだ?床が滑る……」

そう不思議そうに呟き、部屋の電気が灯されると……

「っ、ぎゃ、ぎゃああぁああっ?!」

寝室が一面、血の海に染まっていました。

水音の正体

事故現場出典:stock.adobe.com

しかし、その光景は一瞬のこと。
電気を点け、二人で叫び声をあげた途端、そこはまた普段通りの部屋に戻っていました。

これは後に知ったことですが、上の空室では以前、一家による“刺殺事件”が起きていたとのこと。
そう、あの水の音の正体は、上の部屋から漏れ落ちる“大量の血の音”だったのかもしれません。

一瞬の出来事ではありましたが、私たちは確かにこの目で、二人揃ってあの光景を目の当たりにしたのです。
真っ赤に染まった部屋の天井、そこを伝って床を汚す大量の血液……。

あの晩から一ヶ月ほどはその部屋に住み続けましたが、その間もあの音は毎晩のように鳴り続けました。

さすがに耐え切れなくなった私たちは、引っ越しを急いでその団地を後に。
今もあの部屋に住人がいるかはわかりませんが、同じ恐怖を味わっている人がいるのではないかと、心配に思うことがあります。

※この物語はフィクションです。
※記事に使用している画像はイメージです。

松木あや

◆松木あや

ホラーやオカルトが好き。在住する東北の地で、ひんやりとした怖い話を収集しています。
恐怖体験の「おすそわけ」を楽しんでもらえると嬉しいです。

※表示価格は記事執筆時点の価格です。現在の価格については各サイトでご確認ください。

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松木あや

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