「誰かに任せるのは嫌だ」と思ってしまう完璧主義なあなたへ
仕事を後輩や部下に任せるのをためらってしまう方はいませんか?
他人の仕事ぶりを見ていて、「私がやります」と言い出してしまうことはありませんか?
人には、その人の育ってきた環境に作られた習性や、気質、志向性というのがあります。
それは簡単に変えられるものでもないし、変えようとすると自分自身でもジレンマに陥ることが多々あるでしょう。
これって、恋愛においても同じですよね。
結構素直になれなかったり、プライドが許さなかったりするせいで、彼氏や大切な人を傷つけてしまったなと後悔することってありませんか?
もしくは、あと一歩踏み出すことができていれば、もう一段階お互いの関係を進められたなと悔やむこともしばしばあるのではないでしょうか。
そう思うと、やっぱり自分のこういう気質を直したい……と思う方って、結構いらっしゃるような気がします。
私もその壁には何度もぶつかって、悔しい思いをしたり、自己嫌悪に陥ったりしたものです。
もちろん今もよくあります。
その中でも最も克服が難しかったと思うのは「完璧主義」である自分を変えようとすること。
昔よりは随分それも緩和されたように思うのですが、これをこう思えるようになるまでが結構本当に辛かったなあとしみじみしてしまいます。
ここまで言っておいてなんですが、別に完璧主義は直すべきだというわけではありません。
しかし、完璧主義を貫いてきたがために苦労してきた、だからぜひとも変えたいという方がいたら、その方のちからになりたいと思っているのです。
完璧主義を貫いて成功した人も多いでしょう。
むしろ自分なりの人生哲学を持って、完璧主義で他人よりもさまざまなことを抱えながら生きる運命をわざと選んで生きているという人はそのままでいいと思います。
ただ、「完璧主義でいることをやめたい」と思うことが敗北ではないということをお伝えしたいのです。
今回はそんな経験を元に、私と同じような思いを抱えている方の支えに少しでもなれるようなことをご紹介していきたいと思います。
①他人に仕事を任せられなくていつも手一杯
まず完璧主義の自分に課せられるのは、ハードモードの仕事量。
なんでも「あの人がやるより自分でやったほうが早い」「任せるのが不安」「どのみち私のもとで修正するくらいならこっちでやったほうがマシ」と思ってしまうんですよね。
一度そう思ってしまうと、その相手を見下してしまうし、結局毎回毎回そのラインのものは自分でやろうとして引き受けてしまう。
相手を見下している自分を醜いと思ってしまうし、引き受けた仕事量が多くて手が回らなくなりそうだし、でも手が回らない自分は嫌だからなんとか時間を削ってやろうとする。
でも、そうすると自分の睡眠時間が削れて体調を崩して良いことない……というのがオチです。
しかも、そのうちそれがデフォになってしまって周囲からも評価されなくなって、ハードルも上がるし荷が増えるし……という悪循環に陥っている方も多いのではないでしょうか。
完璧主義な方って、たぶんすごくストイックなんですよね。
仕事にも妥協を一切許さないタイプで、自分がクオリティ高く仕上げることができるから、他人の欠点が目につきやすい。
また他人に遠慮がちなので、注意をしたり、修正箇所を指摘したりというのが苦手で、そういう苦痛を背負わされるくらいなら……と自分でやってしまうタイプの人も多く見受けられるような気がします。
そういう人にとっては確かに、何も言わず自分一人で仕事をすすめるほうがずっとラクですよね。
しかし、別に手柄を独り占めしたいわけではないのに、そう勘違いされることもあるのではないでしょうか。
周囲を見渡してみると、完璧主義な方って、結構孤独な作業にあたる時間が多いので他人との交流の時間もちゃんと持てないし、何かと誤解されがちだと思うのです。
かといって他人任せにして手を抜いてしまおうと思うと、それは許さないという気持ちがむくむくと頭をもたげてくるんですよね。
自己反省が上手でなんでも自分の中で解決できてしまう器用さを備えている反面、それが仇となり器用貧乏に陥っている人も多いような気がします。
②真面目すぎる、細かいなどのレッテルを貼られる
そして、仕事を完璧にこなそうとするあまり、色んな細部にこだわってしまう性質もあるのでは?
そのため、他人の資料を見ても「あ、ここズレてる」とか「この文字のサイズだと見づらいな」とか細かいところが気になりだしてしまいます。
それにモヤモヤして、そっと本人に伝えてみると「細かい」だとか「真面目すぎる」とか、また妙なレッテルを貼られる。
もちろんコミュニケーションのとり方次第で、そういうことは自分には起きていないという方もいるかもしれません。
しかし、自分の考えの及ばない点よりも自分が妥協した点を指摘される方が素直に認められない人のほうが多いような気がします。
あと、言い訳が増えるのもこのパターン。「今回は時間がなかったからさ……」と言い訳されて「私の指摘は無駄だったの?」と思わされるのがオチです。
完璧主義な方って、自分の仕事のクオリティに見慣れているので、ぱっと他人の仕事のクオリティを見たときにそれがどんなものかわかるんですよね。
でもそれが周囲の人にとっては、鼻にかけているようにみえる。
たぶん、すごく生きづらいんじゃないかなと思うんです。
③バーンアウトするとしばらくモチベーションが戻らない
これも完璧主義の方の特徴の一つかなと思ったのですが、一度燃え尽き症候群に陥ると再起までだいぶ時間がかかってしまうというもの。
特に成果が得られなかった仕事の後は、うんざりするほどこれを味わうのではないでしょうか。
私もこの時期が一番つらくて、「何をやっても結局報われないんだ」「評価されないことに対して自分は頑張っていたんだ」と思うと、本当に何もかも止めて逃げ出したくなってしまうことがあります。
実際、一度逃げ出したことがあるくらいで、たしかにそのときに失ったものも多いけれど、今はある種の浄化作用になったと感じています。
かといって、やはり失うものも多いので私と同じようになるのはお勧めしません。
私の場合が幸運だっただけだと自分でも思うからです。
まずは成果を出すことを目標に、ただがむしゃらに頑張るのではなく、上司へしっかり頑張りや尽力している姿を見せつけることが何より大事な気がします。
私の会社の先輩で、非常に高く上司から評価されていた人は、いくら業績が下がっても資料の見せ方にこだわりつづけて、上司に「業績が下がった」という印象よりも「そこに対して僕たちはこれだけの努力をしているのでここまでの下げ幅で済んだのです」というみせ方をしていました。
自分の努力を報いてあげられるのは自分だけです。
ぜひしっかりアピールの仕方を考えて、成果を成功であると正当に評価してもらえうように工夫してみて下さい。
④ 何より、自分に自信がないのだとおもう
仕事に対して、自分の存在意義を見出してはいませんか?
他に打ち込むものがないからと、わざわざのめり込んではいませんか?
私の場合はまさにそれで、これは仕事ではなく趣味の範囲だったのですが、あるものづくりに携わった際、自分がいなくては回らないと思って一生懸命頑張っていました。
そのとき、ある外部の方から「自分がいなくても回っているチームにこれだけ一緒にやってきたメンバーならもうなってるから、少しくらい手を抜いても大丈夫だよ。 自分の存在意義を見失いそうになるだろうけどね」と言われたのです。
私はその言葉が怖くて結局手を抜けなかったのですが、まさにそれって今振り返れば自分の存在意義をその趣味の中に見出していたんだなと思ったのです。
また、最近の自己啓発本やリーダー論では「他人任せにできるスキル」「暇なリーダーこそ立派」という論調が多いですよね。
そういうものを見て「私は向いていない」「マネジメント層の人間にはこのままではなれないかも」と不安になる人が多いような気がします。
ああいう本って、何かしらこれまでの視点を変えるような指摘を織り交ぜないと売れないというような風潮があって、なんでもかんでもこれまでの風潮を刷新してやろうみたいなノリで売り出してくるんじゃないかと私は思っているんです。
だから、一度飲み込んでみてから自分の中で何度も咀嚼して自分の中でどちらがより腑に落ちるか、しっかり考えてから取捨選択すればいい。
なんでも完璧を目指して、そのとき最も売れた本や「1位」と名のつくものを追い求めようとせずに、しっかりと自分の軸を持つことのほうが大切だと私は思います。
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