【ゾッとする怖い話】「こんにちは」なにか様子のおかしい訪問者

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「あーそーぼ」
お友達の突然の訪問。学生の頃なら、よくある光景でしょう。
しかしこの訪問者、なにかがおかしい。
今回は、そんな女性の身に起こった怖い話をご紹介します。

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松木あや
松木あや
2024.10.05

すぐに帰る訪問者

白壁のインターホン出典:stock.adobe.com

私が高校生の頃の話です。

2階の自室でくつろいでいると、「お友達が遊びにきたよ」と1階から母が呼びにきました。

友達?誰だろう?誰とも遊ぶ約束はしていませんでしたが、軽く寝癖を整えて1階へと向かいます。

「あれ?」

玄関に顔を出すも、そこには誰もおらず、ドアだけが開いていました。

「お母さーん。なんか、帰っちゃったみたい。友達って、誰?」

「え?そうねぇ、見たことない子だったけど」

翌日、学校で昨日の話をしましたが、私の家に来たという友達はわかりませんでした。

あなたは誰?

数日後のことです。

お風呂から上がると、「さっきまたお友達が来ていたよ」と母が教えてくれました。
私がお風呂に入っていると伝えると帰ったようでしたが、こんな遅い時間になんの用だったんだろう?少々常識に欠けたその行動に、違和感を覚えたのです。

それからしばらく、正体のわからない友達とのすれ違いが続いていきました。
母に呼ばれ、急いで玄関に駆け付けるも、私が行ったときには必ずいなくなっているのです。

「今度友達が来たら、直接もう私の部屋に上げてもらっていいよ!」

一向に友達の正体がわからず、痺れを切らした私は母にそうお願いしました。

やっと会えた

少しだけ開いたドア出典:stock.adobe.com

次の日曜日のことでした。
やることもなく、自室でだらだらとテレビを見ていたとき。

「こんにちは」

部屋のドアの向こうで、声がしました。
友達が来た!やっと長いすれ違いが終わることに喜び、すぐにドアを開けます。しかし……

「……え?」

そこには、見覚えのない女の子が立っていました。

「こんにちは」

女の子は、もう一度挨拶をしてきました。

私は一瞬驚きましたが、「他のクラスの子かな?もしかして、部活の後輩?」などと考えると、そうだったような気もしてくるのです。
とりあえず、知らない素振りを見せては失礼なので、私は女の子を手招きしました。

「あー、ごめんね?ほんといつも会えなくてさ。まあ、あがってあがって!」

床に転がった漫画や服を隅に寄せて、女の子の座るスペースを確保します。

「適当にくつろいでてね。 お母さーん!お菓子あるー?あとジュースもー!」

女の子の横を通り、階段を駆け降りながら一階の母に声をかけました。
しかし、母の返事はありません。

そこで、私は思い出したのです。

「あれ……?」

今日は朝から、家族は誰もいなかったことに。

「ま、まって……?あなた、どうやって……」

この家には今日、ずっと、私しかいなかったのです。
玄関の鍵は宅配の荷物を受け取ったあと、この手でしっかり施錠もしていた……。
私は恐る恐る、部屋の前から動かずにいる、女の子を振り返りました。すると、

「こんにちは」

女の子は、三度目の挨拶をしてきました。

首を180度に回し、貼り付けた笑みを浮かべながら。

※この物語はフィクションです。
※記事に使用している画像はイメージです。

 

松木あや

◆松木あや

ホラーやオカルトが好き。在住する東北の地で、ひんやりとした怖い話を収集しています。
恐怖体験の「おすそわけ」を楽しんでもらえると嬉しいです。

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松木あや

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