【ゾッとする怖い話】「ニヤリ」と不気味に笑う女性。駅のホームで起きた恐怖体験

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乗り慣れたいつもの電車に、いつものホーム。
しかし、今日はどこか様子が違うようで……。
その違和感は、恐怖の体験へと繋がっていました。

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松木あや
松木あや
2025.03.24

無人のホーム

駅のホームの木製のベンチ出典:stock.adobe.com

これは、いつも利用していた駅のホームで体験した話です。

会社から自宅までの帰り道、いつものように駅のホームに降り立つと、どこか違和感がありました。

普段なら学生やサラリーマンが列をなしている時間帯ですが、今日は私一人だけ。
「こんな珍しい日もあるんだなぁ」と、静かなホームで一人電車を待っていました。

しかし、おかしなことはもう一つ。
定刻を過ぎ、いくら待っても電車がやってこないのです。不思議に思って線路の奥をじっと眺めていると……

「……ん?」

線路の向こうから、なにやら“黒い影”が近付いてきたのです。

線路を伝って、やってくるのは……

その黒い影は動物のようにも見えました。
田舎町なので、線路に動物が侵入することはよくある話。

電車が遅延している理由は、これか。
そう納得し、線路を悠々と歩く動物をじっと眺めていたのですが……

「えっ……」

その動物が徐々に近付いてくるにつれ、その姿形がはっきりと見えました。

「う、うわっ……!?」

それは紛れもなく、四つん這いで線路を這う、女性の姿だったのです。

こちらを見て、ニヤリ

夜の線路出典:stock.adobe.com

その姿は、まるで大きな蜘蛛のようでした。
女性はあらゆる関節を“カクカク”と動かし、とても人間とは思えないような動きで線路を這っています。

私は驚きのあまり、その場から動けずにいました。
するとその女の人は、あっという間に近くまでやってきて……

“ざり……ざり……”

線路内、私の目の前で、歩みを止めました。
そして私へ向かい、「ニヤリ」と不気味な笑みを浮かべたのです。そして、全身を上下に弾ませ……

「なっ、や、やめろ……っ!」

まるで虫のように弾みをつけて、私に向かって一直線に飛び掛かってきました。

思わずギュッと目を瞑り、迫りくる恐怖に身を固めるも、思ったような衝撃は現れません。
恐る恐る目を開けてみると、あの蜘蛛のような女性はどこにも見当たらず。

それどころか、あんなに閑散としていた駅のホームには、いつも通りに通勤客、通学客が列をなしていたのです。

列から離れた位置で一人立ち尽くす私に、周りは不審な目を向けていましたが、私は安堵からなりふり構わずその場にへたり込みました。

あの蜘蛛のような女性は、一体なんだったのでしょう……。
以降、あの姿を見ることはありませんでした。

※この物語はフィクションです。
※記事に使用している画像はイメージです。

松木あや

◆松木あや

ホラーやオカルトが好き。在住する東北の地で、ひんやりとした怖い話を収集しています。
恐怖体験の「おすそわけ」を楽しんでもらえると嬉しいです。

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松木あや

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