【ゾッとする怖い話】あの顔が頭から離れません。空きテナントで起こった恐怖体験

Lifestyle

立地はいいのに、なぜか空室のままテナントが入らない雑居ビル。
警備会社で働く男性は、人が寄り付かないビルでこんな不可解な体験をしたそうです。

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底渦
底渦
2025.03.27

非常事態

私は4年前からある警備会社で働いています。
主な仕事は、担当地区内で発生した非常警報への対応。

常に気を引き締めて業務にあっていますが、古い建物からの警報では火が出ていないのに火災報知器が反応したり、誰もいないのに防犯装置が起動したり、そういった肩透かしを食らうことも。

大抵の場合は単なる誤作動ですが、一度だけ常識では説明のつかない事態に遭遇したことがあります。

火災報知機の誤作動

雑居ビルの空室出典:stock.adobe.com

ある日、火災発生の通知を受けた私は都内の雑居ビルへと急行しました。
しかし、反応した熱感知器が設置されているのは、そのビルで唯一の空きテナントとなっている3階。

誤反応を疑いながら現場に到着すると、やはり火が上がっている様子はありません。

緊急性は低そうでホッとしたのも束の間、だれもいないはずの窓際に人影。

「侵入者か……?」

私は非常階段を駆け上がり、3階の空きテナントへと足を踏み入れました。

火や煙が上がっているところはないか、不審者の姿はないか、確認しながらフロアを見て回ります。
そして最後に、通路の一番奥に設置された個室のドアを開けました。

「……なんだ、これ」

思わずその場に立ち尽くしてしまった私。

なんとその部屋には、床から天井まで、いたるところに同じ紙が貼られていたのです。

見つめる女性

それは、女性の顔を正面から写した写真を、A4サイズに引き伸ばしたものでした。

履歴書に貼る証明写真のように、無表情でこちらを見つめる女性、女性、女性。
窓にも同じ紙が外に向けて貼りつけられています。

「これが人に見えたのか……」

本来、この階にはエレベーターが止まらないようになっており、非常階段から3階に通じるドアにも鍵がかけられています。

「いったい誰がこんなイタズラをしたのだろう」私は不気味に思いながら、無数に貼られた写真をはがしていきました。

雑居ビルで起こった事故

オフィスにあるコピー機出典:stock.adobe.com

それからしばらくして、あのフロアにネット通販の企業が入ることになりました。

しかし、その会社は半年と経たずして倒産。
いろいろと心霊現象が起こっていたようですが、あの一番奥の個室を使っていた社長が亡くなってしまったのです。

死因は、コピー用紙を口に詰め込んだことによる窒息死。
自殺として処理されたそうですが、私の頭からは無表情の女性の顔が離れません。

現在、そのビルの3階は空室となっています。

※この物語はフィクションです。
※記事に使用している画像はイメージです。

底渦

◆底渦

中学生で都市伝説にドハマりし、2chホラーと共に青春を駆け抜けたネット廃人系オカルトライター。

怖い話の収集・考察が趣味です。

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底渦

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