不審な荷物
私の家の向かいには、ずっと空き家になっている古い一軒家があります。
人が出入りしているところを見たこともなく、普段はとくに気に留めていませんでした。
ある休日、窓の外を眺めていると、一台の配送車が空き家の前に止まります。
配達員は玄関前に荷物を置くと、そのまま帰っていくではありませんか。
「誰も住んでないのに……?」
少し気になりましたが、翌朝には荷物がなくなっていたので誰かが管理しているのだろうと思い、そんな事があったのも忘れていました。
ところが翌週、また荷物が届いているのを発見したんです。
さらにその翌週も決まって玄関前に置かれ、翌朝にはなくなっていました。
配達員に話を聞いてみると……
そんなある日、ちょうど配達員と鉢合わせたので尋ねてみることに。
「あの家って、誰か住んでるんですか?」
「さあ……。置き配指定なので会ったことはないですけど、毎週注文されていますよ」
そう答えた配達員が持っている荷物を何気なく見ると、宛名に書かれていた名前に目を疑いました。
なぜか私の名前だったのです。
慌てて通販サイトの購入履歴を確認しても、そんな注文をした記録はありません。
同姓同名の人だろう。そう考えて、その日は無理やり納得することにしました。
どうしても気になった私は、配達員が帰ったあと空き家の前へ向かいます。
荷物の伝票には、やはり私の名前。品名には「風邪薬」と書かれていました。
気味が悪くなり、私はそのまま荷物には触れず自宅へ。
その数日後、私は高熱を出して寝込みました。
偶然だと思っていた翌週、届いた荷物の品名は「包帯」でした。
その数日後には、料理中に手を切ってしまったんです。
さらに次の荷物は「杖」で、 数日後駅の階段で転び、足を捻挫してしまいます。
そこでようやく、ある考えが頭をよぎりました。
あの家には、これから私に必要になるものが届いているのではないか。
理由も理屈も全くわかりませんが、そうとしか思えません。
次に届いたのは
次の配達日。怖くて仕方ありませんでしたが、確認せずにはいられませんでした。
いつものように荷物が置かれ、配達員が去っていきます。
恐る恐る空き家へ向かい、伝票を覗き込みました。
宛名は、やはり私。
そして品名には、
「喪服」
と書かれていました。
誰のために必要になるのか。
それとも、誰が着ることになるのか。
私はまだ、確かめられません。
※この物語はフィクションです。
※記事に使用している画像はイメージです。

◆さしすせそそぎ
怪談や都市伝説、モキュメンタリー作品が好きで日頃からさまざまなホラーコンテンツに触れています。不気味な余韻が残る物語や「読まなければよかった」と思いながらも続きが気になってしまうような怖い話をお届けできればと思っています。
特に、人の悪意や心理が生み出す恐怖を描いた作品や読み終えたあとにもう一度振り返りたくなるような意味が分かると怖い話、ひんやりとした読後感が印象に残る物語が好きです。
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