【ゾッとする怖い話】「おーい、置いていくなよー」まったく同じ声が聞こえたんです

Lifestyle

大学1年の夏休み、軽いノリで訪れた地元で有名な肝試しスポット。
怖がって二階で待機していたはずの友人が姿を消し、電話をかけると彼は「もう車に戻った」と笑っていました。

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味醂
味醂
2026.11.05

肝試し

古びた集合住宅の薄暗い廊下出典:stock.adobe.com

大学1年の夏休み、友達4人で肝試しに行ったんです。

地元ではそこそこ有名な古い建物で、ずいぶん前から使われていないという話でした。
幽霊が出るとか、昔そこで人が亡くなったとか、噂はいろいろありましたが、どれも出どころはわかりません。

僕らも本気で信じていたわけではなくて、夏休みだし肝試しでもするか、くらいの軽いノリでした。

夜の19時頃に車で近くまで行ったんですけど、全然日が沈みきってなくて。
間抜けですけど、もっと暗くなってから出直す度胸もなかったので、そのまま建物に入ることにしたんです。

最初のうちは、「全然怖くなくね?」なんて笑っていました。

でも奥へ進むにつれて、だんだんみんな口数が減っていきます。

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ここで待ってる

2階へ上がったところで、1人が急に立ち止まりました。

「俺、もういいわ。ここで待ってる」

1番怖がりだった友達です。
みんなで散々からかいましたが、本気で嫌そうだったので無理に連れていくのはやめました。

「じゃあすぐ戻ってくるから」

そう言って、僕ら3人だけで先へ進むことにします。

一番奥まで行って、何もない部屋を覗いて。
せっかくだからと写真を何枚か撮って戻りました。

10分も経っていなかったと思います。
でも、友達を待たせていた場所に戻ると誰もいませんでした。

電話

駐車場に停まる車出典:stock.adobe.com

「先に戻った?」

さすがに心配で、電話をかけてみたんです。
数回の呼び出し音のあと、すぐに出ました。

「もしもし?」
「どこいんの?」
「車だけど」

思わず3人で顔を見合わせました。

「は? いつ戻ったの?」
「おまえらが上行ったあと。やっぱ1人で待ってんの怖くてさ」

少し腹が立ちました。
連絡くらいしろよ、と言いながら階段へ向かいます。

電話の向こうで友達が笑っていました。

「悪い悪い。早く戻ってこいよ」

そのときでした。
後ろから声がしたんです。

「おーい」

その時、3人とも足が止まりました。

友達の声でした。
今、電話で話している友達とまったく同じ声が廊下の奥から聞こえたんです。

「置いていくなよー」

電話の向こうから、「どうした?」と友達が聞いてきます。
誰も答えられませんでした。

もう一度、奥から声がしました。

「おーい」

僕らは走って建物を出ました。
後ろは一度も振り返りませんでした。

車まで戻ると、友達は本当に1人で待っています。

何があったのか聞かれましたが、その場ではうまく説明できませんでした。
ただそれ以来、4人とも肝試しに行こうとは言わなくなりました。

※この物語はフィクションです。
※この記事に使用している画像はイメージです。

味醂

◆味醂

子どもの頃から怖い話が好きで、ホラー小説やネット怪談など、文章作品を中心に親しんできました。
映像作品の痛そうな表現や急に驚かせる演出は少し苦手ですが、想像がふくらむ怖さや、日常の違和感が少しずつ不穏さを増していくような話に惹かれます。
読んだあとふとした瞬間に思い出してしまうような“あとから効いてくる怖さ”を大切にしています。

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子どもの頃から怖い話が好きで、ホラー小説やネット怪談など、文章作品を中心に親しんできました。
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