“スポーツ観戦音痴”なオトナ女性に捧げる、『ときめきから始めるSPORTS観戦!』
オリンピックにパラリンピック、ワールドカップなどなど……もうすぐそこまで迫ってきた、日本中・世界中がスポーツに大熱狂する時代。そんな中、ポツン……と置いてけぼりを食らってしまった、“スポーツ観戦音痴”なオトナ女性に捧げる新連載、『ときめきから始めるSPORTS観戦!』第2回。
「スポーツ音痴な自分には関係ない。」
「ルールがわからないから、スポーツ中継も見ないし観戦にも行かない。」
そんな風に、“嫌いじゃないけどわからないから”とスポーツの世界を避けてきた女性に向けて、まだ知らぬスポーツの魅力と男性アスリートの素顔をお届けいたします!
ラグビー・畠山健介選手が登場!
連載第2回目に登場してくれるのは、ワールドカップ真っ只中のラグビー界・畠山健介(はたけやま・けんすけ)選手。ガッチリ鍛えられた身体とダンディなお髭がチャームポイントですが、ご本人は「ただのクソヒゲゴリラですよ。」なんて、ちょっと控えめ。お茶目で面白い、とってもハッピーな方です。
学生時代からラグビー界の1線で活躍し続け、ワールドカップに2度出場、日本ラグビーフットボール選手会の代表理事を務めるなど、ハードライフをこなす傍ら、プライベートでは2人の女の子のパパなのだそう♡
インタビュアーは、人気ブロガー、商品プロデューサーなどマルチに活躍するしげるちゃん。タレントやモデルなど芸能界のみならず、スポーツ選手や格闘家とも交流が深くて、幅広い業界の方から支持を得ている人気者。なんと、畠山選手とも前々から親交があるみたい♪しげるちゃんと対談していただき、「選手としての畠山健介」と「1人の男性としての畠山健介」について、たくさん教えていただきます!
「褒められることの嬉しさ」をラグビーが教えてくれた。
前編は、「選手としての畠山健介」について。先ずは、“なぜラグビーというスポーツにのめり込んだのか”を伺います。
ハタケ(=畠山選手)に会うのは忘年会以来だね。しげるのお誕生日会にもお誘いしたんですけど、丁寧にお断りをされました(笑)そういえば、初めて出会ったのはラグビー観戦していた時だったよね。お互い別の人と試合を見ていて、そのあと飲み会で合流して。
その節はすみませんでした(笑)家族優先タイプでして……!思い返せばそうでしたね。今日はよろしくお願いします!
まずは、ハタケがラグビーをするようになったきっかけを聞きたいな。小さい時はバスケ部だったって聞いたんだけど。
はい、8歳の頃からラグビーは続けているんですが、中学校には部がなくて。当時スラムダンクがすごく流行っていたのでなんとなくバスケット部に入ることにしたんです。でも、ファウルばっかりしている子でした(笑)2日間で4試合やらせたら計20ファウル食らって退場……みたいな。コンタクトスポーツのラグビーを経験していた僕にとっては、バスケは合わないなと感じましたね。
8歳からのラグビー環境ってあるんだね!どうしてクラブチームに入ったの?
母親がすごくラグビー好きな人で、兄が先にクラブチームに所属していたんです。その送り迎えに僕も着いて行って、自然な流れでラグビーを始めることになりました。姉・兄・末っ子が僕なんですが、小さい頃は特技が何にも無くて、親にも褒めてもらった記憶があまり無いんです。だから自己肯定感がとても低い子どもだった。でも、ラグビーを初めてやったときに母親や周りの大人たちが初めて絶賛してくれて……!それがたまらなく嬉しくて“ラグビー”を頑張りたいって思ったんですよね。「褒められることの嬉しさ」をラグビーが教えてくれたんです。
末っ子って、1番可愛がられるタイプかと思ったけど『褒められたい』は意外だなあ。宮城県出身だったよね!東北はラグビーが盛んなの?
秋田県や岩手県は、ラグビー部の強豪校も多くて盛んなんですけど、宮城は正直それほど。たまたま街に1個だけ小学生向けのラグビークラブチームがあって、僕が中学上がる頃にタイミング良く中学生向けのチームもできたんですよ。3つ上の兄は中学でできなかったラグビーを高校生で再開したけれど、僕よりもラグビーの技能が高いのに器用貧乏なタイプで、色んなことができちゃうから飽きちゃったんですよね。僕は逆に、自己肯定感が低いから「ラグビーでしか人に認めてもらえない」って必死だった。“ラグビーを逃したら何もない”って、怯える必要はなかったと今なら思うけれど……!母親の気を引きたかったんですよね。
こんなにハタケが活躍して、お母さまは今とても喜んでいるだろうね。大学からは東京へ?
はい。そもそも、僕がラグビーで成功したい一番の理由は“母親に喜んでほしいから”なんです。後に、ラグビーの強豪校である早稲田大学に進学したのも、母親が早稲田のラグビーチームのファンだったから。そこに入ったことがきっかけとなって、日本代表になることやワールドカップ出場が僕自身の目標になったんですよね。
ラグビーを始めてから、“挫折は一度もない”
いつ頃からプロを目指すようになった?その中で挫折もあったのかな。
う〜ん。いつ頃からと聞かれると難しいですね、始めた頃からずっとラグビーしか見れていなかったから。無我夢中で目の前の試合に勝ち続けたら、自ずと目標がアップデートされて行って、今がある感じ。僕にとっての挫折は、ラグビーを始める前の何もない自分だから、ラグビーの世界に来てから挫折を味わったことは一度もありません!
かっこいい〜!でも、野球やサッカーはプロの選手が当たり前に存在するけれど、ラグビーがプロの選手を受け入れるようになったのって、ほんとここ10数年くらいだよね。プロになるまでの道って険しいのでは……?
そうなんです!日本人のプロ契約選手ができたのは、歴史的には最近のこと。ざっくり言うと、現在の日本のラグビーリーグ(トップリーグ)は企業が母体の社会人リーグなので、多くの参加チームが所属企業の社員選手、日本人プロ選手、外国人プロ選手の3部隊から構成されています。僕は、最初は社員選手としてサントリーに入社したので会社員としてのお仕事とラグビー、どちらもやっていました。同期からはすごく良い会社だって言われていたけれど、僕はラグビーのことしか知らない世間知らずだからどれほど素晴らしい仕事かわかっていなかったし、入社1年目に日本代表に初めて選んでもらったこともあって、早くラグビー1本に集中したいと考えていたんです。ですが、そんなに簡単な道のりではなくて……当時のゼネラルマネージャーに早くプロになりたいと打ち明けたら「あと1年、社員選手として会社業務も頑張ったらプロにならせてやる!」と言われたんです。その「あと1年」がもう一度あって……(笑)。結局社会人3年目のタイミングで切り替わり、『サントリーサンゴリアス』というサントリーのチームにプロ契約選手として所属することに。そこからが僕のプロ人生のスタートですね。
ルールは3つだけ覚えればOK!ラグビーは観るものではなく感じるものだ!
2011年と2015年には、ハタケもワールドカップの日本代表選手だったよね!すでに多くのことを経験してきたように思えるけど、これからの目標ってある?
一つは、これからも試合で高いパフォーマンスをあげて、僕を通じてラグビーを認知してもらうことですね。僕の名前なんて覚えてもらわなくていいんですよ!「あの人ラグビーやってる人だ!」って認識してもらうのがゴール。そのためにも、試合で活躍することはマストだと思っています。二つ目は、たくさんメディアに出て行くこと。僕自身が出るでもいいし、ラグビーが露出されるような新しい取り組みをしたい!ラグビーファンを増やすことが僕の役目だと思っているんです。もちろん、今ファンでいてくれる人達にもっと深く好きになってほしいけど、まずは、全くラグビーを知らない人にアプローチしていきたいんですよね。
ハタケは、日本ラグビーフットボール選手会の理事でもあるもんね!ワールドカップが日本で開催されている今って、すごくチャンスじゃなあい?ラグビーを初めて観る人が、「ここをチェックすべき!」ってポイントを教えてほしいな♡
観なくていいです。ラグビーは感じるものなので!!!複雑なルールは覚えなくていいんですよ。
①ボールは前に投げちゃいけない
②ボールを落としちゃいけない
③ボール持っていない人にタックルしちゃいけない
このつ3ルールだけ覚えれば、ラグビー観戦できます!僕は、ラグビー場をディズニーランドと同じように、行くだけで楽しいっていう空間にしたいんですよね。
すごく斬新な意見(笑)。でもなんかスッキリした!しげるもラグビーのルールとか気にしないで観戦するタイプなんだけど、格闘技みたいなド迫力と刺激が楽しいよね~!試合中の選手同士の声とか、ぶつかり合う音の熱気がすごい。
例えばサッカーなら、監督が場外から声を出して指示を出すことも多いですが、ラグビーはめまぐるしく状況が変わって行く競技なので、選手同士の声でスムーズに情報伝達することが重要なんです。コミュニケーションの伝達方法は、「9割がボディランゲージ1割が言語」って言われていますが、ラグビーではその1割がめちゃくちゃ求められます。“なるべく短い言葉で、仲間にどう伝えるか”をみんな考えているんです。だから、熱気もすごいんですよ!
なるほど、そういうことだったのかー!ハタケは『プロップ』というポジションだよね。どんな役割?
相手プレーヤーと激しく組み合うポジションなので、比較的身体が大きくてパワーがある人が求められます。ラグビーは、ポジションによって役割が全然違うので、体系も選手によって様々なんですよ。僕は体を鍛えることが大事だけど、反対に体を厚くするより足の速さを求められるポジションもあります。まあ、一番理想的なのは、「足が速くて・ボールを操る技術が長けていて・体力がある」ことですね。でも、女性目線で考えれば、色んな体型の選手がいるのもラグビーの魅力かもしれません!とにかく、騙されたと思って、一度試合を観て欲しいですね。チケットが無くとも、パブリックビューイングとかラグビーを見る環境はたくさんあるので、足を運んでいただけたら嬉しいな。
エピローグ
ラグビーの第一線で活躍し続けてきた畠山選手らしい、“ラグビー界の今とこれから”を考えているメッセージ性の強い言葉がたくさん溢れるインタビュー。ラグビーを語るときは熱く、時折ユニークな一面も見せてくれました。
ワールドカップ真っ只中!この機会にぜひ一度、ラグビーの世界を除いてみてください。ルールなんて知らなくても大丈夫、熱い男達の取っ組み合いに、必ず感動するはずですよ。
10月11日(金)配信予定の後編では、「1人の男性としての畠山健介」に迫ります。お楽しみに♡
生年月日:1985年8月2日生まれ。
出身地:宮城県気仙沼市
ポジション:プロップ(相手選手と直接組み合い、相手チームを押す役割)
2011年 ラグビーワールドカップ日本代表 選出
2015年 ラグビーワールドカップ日本代表 選出
2017年 日本ラグビーフットボール選手会 代表理事 就任
商品プロデューサー、人気ブロガーとして活躍中!芸能人やタレント、モデル、スポーツ選手に格闘家など、様々な業界の著名人と交流が深い。
しげるちゃんがプロデュースするアイテムは、そんな多くの著名人が愛用することで知られ、メディアやSNSでも話題に。また、CS局の旅番組にも多数出演、海外のファッション・流行などをナビゲートしている。
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Photographer : Michihiro Shimizu
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