【ゾッとする怖い話】おじさんの背中には巨大な……。巨大な駅の構内で起こった恐怖体験

Lifestyle

ストレスがたまったとき、あなたはどんな憂さ晴らしをしますか?
美味しいものを食べる、カラオケで大声を出す、体を動かして汗をかく……。
人によってさまざまですが、誰かに迷惑をかけることでストレスを解消している人は、注意した方が良いようです。

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底渦
底渦
2025.06.17

ぶつかりおじさん

駅のホームのベンチ出典:stock.adobe.com

あなたは「ぶつかりおじさん」をご存知ですか?

都会の駅で増えているという、小柄な女性をターゲットにして、すれ違いざまにわざと体をぶつける迷惑な男性の総称です。

私は最近まで「そんなひどいことをする人が本当にいるのだろうか?」と思っていたのですが、先日ついに目撃しました。

まあ、私が見たのは、ぶつかりおじさんが痛い目に遭っているところでしたが……。

最寄り駅の構内を歩いているときのこと。
数メートル先を歩くスーツ姿の男性が、時折キョロキョロと辺りを見回すように頭を動かしていたのです。

何かを探しているのかな?
このあと突然立ち止まるかもしれない。
そんな予感がよぎった私は、男性の行動をさりげなく観察していました。

見つめる先

駅構内の人混み出典:stock.adobe.com

しばらく歩いて、遠くに改札が見えてきたころ。

男性が右前のあたりをじっと見つめ、進行方向を大きく変えました。

向かう先はトイレも自動販売機もない、ただの壁。
それなのに、彼はわざわざ人の波のあいだを縫って、これまでよりもペースを上げながら歩いていくのです。

もしかしてあの人、「ぶつかりおじさん」なんじゃない……?
最近この駅でも、わざとぶつかってくる迷惑な男が出没しているという話を聞いたことがあります。

男性が向かう方向に目をやると、地面を見つめながら、黒い髪を垂らしてゆっくりと歩く女性……。

私は途端に心配になって、彼の後ろをついていきました。

どんどん近づいていく2人の距離。
男があの女性をターゲットにしているのは明らかです。

私はとっさにスマートフォンを構え、カメラアプリを起動させました。

衝撃

「やっぱり……」

疑念が確信に変わった瞬間。
こちらに向かって歩いてきているはずの女性の姿が、カメラのどこにも映っていないのです。

「あ、あの!」

私の声など聞こえていないのでしょう。
獲物を見つめる彼は歩くスピードを早めました。

ドンッ!

「……いってぇ!!あ、あれ?なんで……?」

勢いよく壁にぶつかった男性は尻餅をつき、混乱した様子。
周囲の人々は、異様な行動をするおじさんに冷たい視線を向けました。

自業自得

ざわざわと人の話し声が響く構内で、私の耳には女性の低い声がやけにハッキリと聞こえます。

「見えてる?見えてる?」

小柄だったはずの女がぐーっと背を伸ばし、その顔は風船のように膨らんでいきます。
そして、ガクンと体を折り曲げ、男性の顔を覗き込みました。

「は、は、はーーッ」

過呼吸を起こしたような奇妙な叫び声をあげ、たくさんの人にぶつかりながら走り去っていったおじさん。
その背中には、巨大な顔の女がぴったりとくっついていきました。

「あーあ……」
私は小さくため息をつきます。

あの女がこの世のものではないと、はやく教えてあげればよかったな。
きっとアレは、おじさんが死ぬまでついてくる……。

しかし、人に迷惑をかけることで憂さ晴らしをしているような輩は、少々痛い目を見たほうが良いのかもしれません。

私はそう思い直し、あのおじさんの無事を祈りながら改札を抜けました。

※この物語はフィクションです。
※記事に使用している画像はイメージです。

底渦

◆底渦

中学生で都市伝説にドハマりし、2chホラーと共に青春を駆け抜けたネット廃人系オカルトライター。

怖い話の収集・考察が趣味です。

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底渦

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