【ゾッとする怖い話】「まだ寝てていいよ」この言葉の本当の意味とは

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終電でうっかり寝てしまった時だけ、決まって同じ夢を見ます。
子どもの頃みたいに誰かに抱っこしてもらう、懐かしくて不思議な夢です。
でも、何度も同じ夢を見るうちに、内容がだんだん変わってきて……。

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味醂
味醂
2026.05.26

猿夢

停車中の電車出典:www.google.com

「猿夢」っていう怖い話あるじゃないですか。
自分と同じ電車の乗客が順番に怖い目にあっていって、その夢を見る度自分の順番が近づいていくってやつ。

最近、あれにちょっと似た夢を見るんです。

両親の声

決まって終電まで飲んでうっかり電車で寝ちゃう時に見る夢なんですが、ぜんぜん怖くはなくて。
むしろ心地いい夢なんです。

小さい頃、遊び疲れて帰りの車で寝ちゃったことってあるでしょ?
ああいう時って、完全には眠ってないじゃないですか。

うっすら周りの声は聞こえてて、お母さんが「パパ、抱っこできる?」って小さな声で言ったり、お父さんが「起きとらん?」って笑ったりする。
で、よいしょって抱き上げられて、そのままゆらゆら、布団まで運ばれていく。

その時の夢なんです。

夢の中では実家の電球がまぶた越しに少し明るくて、両親が私を起こさないように小さい声で話しているんです。

「もう今日はお風呂いいよね」
「布団まで運んじゃうか〜」

両親の声に抱っこされて、寝ながらぎゅうって抱きついて甘えて。

で、毎回そこで車掌さんに「終点ですよ」って声をかけられて、目が覚めるんです。

このご時世危ないじゃないですか。電車で夢見るくらい熟睡するなんて。
普段は気をつけてるんです。だからその夢を見るのは、だいたい酔って終電で帰る時だけ。

この前も、そうでした。

その日も飲み会の帰りで、最寄りまであと少しだと思いながら座っていたはずなんです。
なのに、いつの間にかまた寝ちゃって、あの夢になりました。

いつもみたいに、よいしょって夢の中で抱っこしてもらったとき、体がちょっと先に夢から覚めたんです。
また電車で座って寝ちゃってたんだ、起きないとって思ったら、耳元で声がしました。

「まだ寝てていいよ」って。

はっとして目を開けると、目の前に車掌さんが立っていて、「終電ですよ」って声をかけられました。

さっきの声と、全然違う声でした。

慌てて電車を降りて、ホームへ転がるように出ました。ちゃんと私の最寄り駅でした。
冷たい夜風に当たっても、しばらく心臓が変な打ち方をしています。

連れていかれる

電車の車内出典:stock.adobe.com

もしあの優しい声に言われるまま、あのまま眠って抱っこされていたら、私はどこに運ばれていってしまうんでしょう?
なんとなく、行ったらもう戻って来れなくなるような気がします。

でも、次またあの夢を見たら、「寝てていいよ」って言われたら、うっかり寝てしまいそうなんですよね。

あんまりきもちいいから。

※この物語はフィクションです。
※この記事に使用している画像はイメージです。

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味醂

子どもの頃から怖い話が好きで、ホラー小説やネット怪談など、文章作品を中心に親しんできました。
映像作品の痛そうな表現や急に驚かせる演出は少し苦手ですが、想像がふくらむ怖さや、日常の違和感が少しずつ不穏さを増していくような話に惹かれます。
読んだあとふとした瞬間に思い出してしまうような“あとから効いてくる怖さ”を大切にしています。

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