かつての心霊写真
学生の頃、友人と家で遊んでいたときに何気なく1枚の写真を撮りました。
お揃いの髪型にして可愛かったからとか、そんなありふれた理由です。
ただの記念写真のはずが、信じられないことが起こってしまって。
なぜか、写真には見知らぬ人影が写り込んでいました。
窓際にぼんやりと立つ人影は、顔には血の気がなく、足元もうっすらと消えかけている。
……いわゆる心霊写真です。
見つけた瞬間、友人と大騒ぎしました。
その後2日ほどは気が気ではなく、夜もろくに眠れなかったのを覚えています。
しかし、何も起こらないまま時間が経つと、自然と忘れていきました。
卒業後、私は上京。
写真に一緒に写っていた友人とも、就職を機にいつしか疎遠になりました。
時折思い出してはまた忘れていくような、「印象深い出来事」程度の記憶になっていきました。
久しぶりの帰省
最近、実家を取り壊すことが決まりました。
土地の都合によるもので、両親は近くのマンションへ引っ越すことに。
私も有給を取り、引っ越しの手伝いと、最後に実家を見ておこうと1週間ほど帰省することにしました。
そうして、荷物の整理を手伝っていたときです。
ふと窓を見て、昔の心霊写真を思い出しました。
「あ、ここだったな」
立っている場所も、窓の見え方も、あの写真とほとんど同じ。
懐かしさもあって、何気なくスマホで1枚撮りました。
写真を確認した瞬間、背筋が冷たくなりました。
人影が写っていた場所。
そう、あの日とまったく同じ場所に、友人が写っていたのです。
もちろん友人はこの場にいません。
それどころか、両親すら近所のスーパーに出かけていて、部屋には私ひとりしかいないのです。
答えを知るのが、怖いんです
ただの見間違いだと思いたくて、昔の同級生たちが参加している連絡グループを探しました。
その中には、友人の名前も残っています。
「久しぶりに地元に帰ってきたんだけど、予定合う人いたら会わない?」
そう送ると、何人かから返事が来ました。
『久しぶりの連絡で何事かと思ったよー』
『いいじゃーん!ここの田舎っぷりみせたるわ』
『明日ちょうど祝日だし、そこでどうよ』
楽しげなメッセージが連なりましたが、写真に写っていた友人からの反応だけはありません。
明日会う同級生たちに聞けば、今どうしているのかわかるかもしれません。
けれど、何年も連絡を取っていない人のことを突然聞くのも、不自然な気がします。
……それはただの言い訳でしょう。
昔、幽霊が立っていた場所に、なぜ今度は彼女が映ったのか。
その答えを知るのが、怖いんです。
※この物語はフィクションです。
※記事に使用している画像はイメージです。

◆さしすせそそぎ
怪談や都市伝説、モキュメンタリー作品が好きで日頃からさまざまなホラーコンテンツに触れています。不気味な余韻が残る物語や「読まなければよかった」と思いながらも続きが気になってしまうような怖い話をお届けできればと思っています。
特に、人の悪意や心理が生み出す恐怖を描いた作品や読み終えたあとにもう一度振り返りたくなるような意味が分かると怖い話、ひんやりとした読後感が印象に残る物語が好きです。
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