不妊原因と年齢の関係
女性の妊娠率に「年齢」が大きく関わっていることは、聞いたことがある人も少なくないと思います。
では、男性不妊は年齢と関係があるのでしょうか。
日本生殖医学会では、女性でいう閉経のような変化がないことや、個々の健康状態に違いがあることから、男性では年齢で不妊症に区切りをつけることが難しいといわれています。
また、運動精子が認められれば体外受精や顕微授精などで妊娠・出産が期待できるため、直接的な結びつきがあるという断定はできません。
一方で、加齢によって精子運動率や精液量などが低下するという報告があるのも事実です。
妊娠は1人でするものではなく、パートナーとの協力が不可欠。
また少なからず加齢による影響があるという報告もあるため、妊娠を希望するのであれば1日でも早く準備を始めると良いでしょう。
妊活を続けてもなかなか妊娠につながらない場合は、お互いの体の状態を知るためにも、ぜひ検査を受けてみてください。
自分たちの体の状態や不妊の原因が分かれば、それに合った治療をすることで妊娠が期待できるかもしれません。
「一緒に検査や治療を受けたい!」男性への声掛けのコツ
なかなか妊娠につながらず、クリニックへの受診を検討している場合、パートナーへの声の掛け方に悩む方も少なくないでしょう。
そのようなお悩みを聞いたとき、またはカップルで受診しているものの2人の意識差があると感じた場合は、「一緒に食事に出かけるなど、まずは二人で楽しめることを探して下さい。」と声をかけるようにしています。
またそれ以外にも、以下のような声掛けを検討してみてはいかがでしょうか。
①パートナーとしての共感を伝える
「一緒に頑張りたいから、まずは2人でできることを知りたいな。」というように、相手を責めずに共に歩む姿勢を示します。
②健康チェックの延長であることを強調
「私も婦人科で調べてもらったから、あなたも簡単な検査をしてみない?」
と伝え、不妊検査を健康チェックの一環として提案します。
③将来を見据えた具体的な提案
「赤ちゃんを迎えたいなら、今のうちにお互いの体を確認して準備して
おくのが安心だと思うの。」と話し、検査の必要性を説明します。
④専門医やクリニックの体制を紹介する
「最近は男性の検査も簡単にできるし、クリニックでも夫婦で一緒に
診てもらえるみたいよ。」と、ハードルを下げる情報を伝えます。
⑤自分の気持ちを率直に伝える
「不安な気持ちがあって、あなたと一緒に解決したい。」と話し、
パートナーシップを強調します。
いきなり不妊治療の話を始めたり、どちらに原因があるかなどの話になると、とくに男性は責められている気がして、協力したい気持ちが削がれることがあります。
子供がいる楽しい家族を持ちたい、という、未来に対する夢を共有することが、結果がどうあれ二人の関係にとって大切ではないかと感じています。
最後に
オーク銀座クリニックを含め、現在は「男女一緒に検査や治療を受けられるクリニック」が増えています。本来、女性の不妊は婦人科、男性の不妊は泌尿器科と診療科が分かれているものなので、同じ場所で受診ができるのは日々の生活や仕事をしながら治療を受ける方にとって嬉しいことですよね。
その他、通院時の「待ち時間ゼロ」を取り入れたり、治療以外の外来はオンライン診療を選択できたりなど、より通いやすい体制が整えられたクリニックも。
クリニック選びの際はぜひ通いやすさもチェックして、お2人の生活に合う方法で妊活をしてくださいね。

監修者
◆山﨑一恭(やまざきかずみつ)
日本泌尿器科学会認定泌尿器科指導医・専門医、日本生殖医療学会生殖医療指導医・専門医
筑波大学医学専門学群卒業後、筑波大学附属病院、国際医療福祉大学病院、茨城西南医療センターなどを経て筑波学園病院泌尿器科にて泌尿器・男性不妊の専門医として勤務。2015年、同院にて一般泌尿器科外来とは別に男性不妊専門外来の設置に寄与。2022年よりオーク会にて男性不妊外来・手術の非常勤医師として勤務。
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