卵子凍結を選択する方の背景
卵子凍結について世間で注目が集まる今、「卵子凍結をする人は仕事を優先したいからだ」と考えられる人が多くいらっしゃるようです。
しかし、実際に卵子凍結をする方々にはさまざまな背景があります。
大きく分けると3つのパターンがあり、「パートナーがいる人」「パートナーがいない人」「検査の結果を踏まえて卵子凍結を決意する人」がいらっしゃいます。
<パートナーがいる人>
- 今すぐ妊娠・出産する予定を立てておらず、将来のために卵子を凍結しておきたい人
- 結婚しているが、妊娠・出産に対してパートナーが協力的ではない人
- 離婚を検討しており、将来のために卵子を残しておきたい人
<パートナーがいない人>
- 将来、妊娠・出産を希望している人
<パートナーの有無に関わらず検査の結果を踏まえて>
- 卵巣手術既往、子宮内膜症などの理由、または原因不明でAMH検査の数値が低く、早期に閉経リスクがある人
※AMH検査は卵巣の中に卵子がどのくらい残っているかを調べるための検査で、卵巣の年齢を測る検査ともいわれています。
卵子凍結を選択する方の特徴
東京都福祉局が2023年に行った調査によると、初回の採卵を行った(卵子凍結を行った)時点の年代で一番多いのが35-39歳で全体の45.4%、次に多いのが40-44歳で20.1%です。
実際、監修医の船曳先生がいる医療法人オーク会で卵子凍結をする方も、おおよそ東京都の調査と同じ傾向にあります。
2007年の治療開始スタート時は40代前半の方が多い傾向にありましたが、現在は30代後半の方が多く、最近では30代前半の方も増えてきています。
卵子凍結を行うために、結婚をしていてもしていなくても、パートナーの承認の必要はなく、 女性の意思だけでできる治療になります。
ただ、オーク会のアンケートでは、パートナーがいるが 未婚のかた、が最も多く、次にパートナーがいなくて未婚のかた、次に結婚しているかたの順に 多かったというデータがあります。
卵子凍結を考えている方へ
記事を読んでくださっているということは、度合いに差はあれど、卵子凍結について関心を持っていらっしゃるということだと思います。
もし、少しでも関心をお持ちであれば、クリニックの説明会や相談会などに参加してみてください。
今すぐに治療をスタートしなくても、卵子凍結について治療法や金額、自分に合いそうなクリニックを見つけておけば、のちの選択肢として卵子凍結を組み込むこともできます。
妊娠に対して女性が1人でできる予防医療は卵子凍結だけです。
卵子凍結をきっかけに、ご自身のライフプランについても考えてみてはいかがでしょうか?
最後に
将来の出産や妊娠を考えるうえでの1つの選択肢となる「卵子凍結」。
実際に行うかどうかは、ご自身の将来設計や、費用や期間などを加味して考えることが必要です。

監修者
◆船曳 美也子(ふなびき みやこ)
産婦人科専門医・生殖医療専門医
神戸大学文学部心理学科、兵庫医科大学卒業。兵庫医科大学、西宮中央市民病院、パルモア病院を経て医療法人オーク会へ。エジンバラ大学で未成熟卵の培養法などを学んだ技術と自らの不妊体験を生かし、診療にあたる。また、早くから不妊と肥満の関係性に着目し、2ヶ月で14kg の減量に成功した患者様の排卵障害が改善したことから、ダイエット・プログラ ムを発案。国内外の学会発表多数あり。
医療法人オーク会
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