「家賃は収入の3割」はもう古い?新常識をプロが解説

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新生活を目の前にして、住む場所を考えている方も多いのでは?そこで悩ましいのが、家賃にどのくらいのお金をかけるべきか。考え方のポイントを、ウェルスナビの資産運用アドバイザー・堀内さんに聞いてみましょう。

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新生活を始める前にチェック!家賃にかけるお金の新常識

豚の貯金箱とコイン出典:www.shutterstock.com

住む家にどのくらいお金をかけるのか、というのは悩ましい問題です。人によってこだわりたいポイントや収入などの条件は違うので、一概には言えませんが、これまでは「家賃は手取り収入の3割」などと言われてきました。だいたい、入ってくるお金の3分の1ぐらいまでに住居費を抑えておけばよい、というイメージです。

ただし、それが変わってきています。結論から言うと、「手取り収入の2.5割程度」が新しい常識として広まりつつあります。家賃にかけるお金の割合は下がる方向にあるのです。

背景として、まず以前と比べて、通信費など固定費の割合が増えています。サブスクでエンタメコンテンツを楽しんでいる、といった方も多いのではないでしょうか。さらに、終身雇用を前提とした働き方ではない人が増えてきて、貯蓄や投資の必要性が高まっていることなども大きな理由です。

家賃を抑えるには、少し工夫が必要なことも

ただし家賃を抑えるといっても、場所によっては簡単ではないかもしれません。20代後半女性の平均給与額349万円*で考えてみましょう。一般的な会社勤めのケースとして税金や社会保険料を引くとだいたい月手取り23万円になります。家賃に3割回すと6.9万円ですが、2.5割だと5.75万円と6万円を切ってしまいます。仮に都内で女性が1人暮らししようとした場合、安全面を考慮すると、少し探すのが大変な水準かもしれません。

*……「令和4年分 民間給与実態統計調査」(国税庁)より、25〜29歳女性の平均給与

今は様々な選択肢があります。リモート中心の職場に勤められれば、会社から離れた場所に住むことができます。1人より2人で住んだ方が、固定費は下げやすくなります。シェアハウスなども1つの方法です。

 家賃の水準は、貯蓄や投資にお金を回せるかを左右する

家とお金のバランス出典:www.shutterstock.com

そもそも、なぜ他の支出と比べて「家賃」が重要なのでしょうか。それは、家賃の水準は、貯蓄や投資にお金を回せるかどうかを左右することが多いからです。

先ほど「終身雇用を前提とした働き方ではない人が増えている」という表現をしました。退職金や年金で老後の生活が守られる時代ではなくなっているのは、皆さんも感じていることでしょう。そのため、働きながらお金を貯め、資産を作っていく必要性が高まっています。

その場合、一定の額が定期的にかかってくる「固定費」を削ると節約効果が続きます。特に住む家はすぐには変えられないので、そこで出費を抑えられると、節約効果が大きくなります。そのため、手取り収入に対する家賃の割合を下げていきましょう、という話になるのです。

いつまでに資産づくりを始めるか、を考える

今はさまざまなモノの値段が上がっています。もちろん家賃も上がっています。節約したいと思っていても、難しくなっているのも事実です。

そこで考えたいのは、いつ資産を作るか、を少し長い目で考えてみることです。貯蓄があまりできなくても、収入を上げられる見通しがあるのならば、家賃が高めでも会社の近くに住む、という選択も考えられます。収入には関わらないけれど、今の自分が取り組みたいことのために、住む場所にお金をかける選択肢もあるでしょう。

その場合は、何歳までに資産作りをスタートする、などの目標を持っておきましょう。
4月は新生活をスタートさせる方が多くなる季節。今のうちに、自分らしいお金の使い方についても考えてみましょう。

※表示価格は記事執筆時点の価格です。現在の価格については各サイトでご確認ください。

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