あなたは、見捨てられたことがありますか?
幼少期の見捨てられた記憶が今も自分を苦しめている、いつ見捨てられてしまうのか怖くてたまらない、そんな見捨てられ不安に駆られてはいませんか?
自分が物心ついた頃から親にちゃんと愛されていれば、見捨てられるなんて恐怖はないのですが、見捨てられ不安に心を乱されると恋愛はもちろん人間関係にも問題が生じてしまいます。
あなたが行っているかもしれない試し行動や、その心理を読み取っていきます。
見捨てられ不安とは?
見捨てられ不安とは、信頼する人が離れてしまうことを極端に不安に思う心理状態を指します。
見捨てられた過去の経験から、現在も見捨てられるんじゃないかと心に不安や恐怖を宿してしまっているのです。
否定される不安
見捨てられ不安がある人は、幼少期から否定されて育てられた経験から、自分自身を否定してしまう心のクセがついてしまっています。
そのため、どんなに親密な人からでも、些細な否定をされてしまったら、否定されたイコール見捨てられる、と受け取ってしまいかねません。
それは自分自身の勝手な思い込みなのですが、否定されることが基本になってしまっている心理状態では、恐怖でしかないのです。
見捨てられ不安は、さらに相手の一挙手一投足を、全神経を研ぎ澄まして洞察することになるでしょう。
メールの返信が遅い、電話の声のトーンが低い、といった些細なサインを、否定されるサインとして受け取ってしまうのです。
相手を信じられない
見捨てられ不安がある人は、自分自身を否定して育ってしまっています。
たとえば友だちができたとしても「いつか見捨てられるんだ」と思いながら交友してしまうかもしれません。
また、たとえば彼氏ができたとしても「いつか見捨てられるんだ」と思いながら交際してしまいます。
つまり、相手を心から信じることができなくなっているのです。
そのような歪んだ関係は、些細な否定のひとことで「ほら捨てられる」と、見捨てられること前提でいる分、もろく崩れ去ってしまうでしょう。
それが嫌だからこそ、見捨てられ不安にかられて相手を信じたいと執着してしまうのです。
境界性パーソナリティ障害のひとつ
見捨てられ不安は、境界性パーソナリティ障害という心の病の可能性もあります。
境界性パーソナリティ障害とは、相手の気持ちを敏感に察知して、よかれと思って助けようとします。
しかし、相手から自分のことを見捨てるような行動をされたとき、急激な不安や怒りによって自分をコントロールできなくなってしまうのです。
そして、冷静になったときに「なぜあんなことをしてしまったのだろう」と自己嫌悪に陥りかねません。心のクセという状態から心の病として認識する必要があるため、心当たりがある人は心療内科を受診することをオススメします。
見捨てられ不安がある人の試し行動
見捨てられ不安がある人は、彼氏に対して「試し行動」をとってしまいがちです。
彼氏がわたしをちゃんと愛してくれているのか、それを確認するために行ってしまう行動なのですが、時に突飛な行動に出てしまうため、彼氏を困らせてしまうのです。
何度もメールや電話をする
親友や彼氏に何度も頻繁にメールや電話をしてしまう、という行動は見捨てられ不安からくる典型的な試し行動です。
自分が相手から必要とされているか、見捨てないで返信してくれるか、確認するために相手を試す行動に出てしまいます。
ストーカーと思われても仕方がないくらい頻繁に確認したくてたまりません。
確認の頻度と、相手の必要さとは比例します。
必要だからこそ見捨てないでほしいと、相手の自分に対する思いを知りたいからこそ、メールや電話で相手に試し行動をしてしまうのです。
自傷行為
自分が大切だと思っている友達や彼氏が、本当に自分のことを見捨てないでくれるのか、確認するための試し行動として自傷行為をしてしまうことがあります。
心から心配してメールや電話をしてくれることを確認して、安心したいのです。
見捨てられ不安が極端に強くて境界性パーソナリティ障害になっている状態の弊害でもあります。
自分は安心するかも知れませんが、自傷行為をほのめかされた側はたまったものではありません。
必要とされたい気持ちが過剰にある場合ではありますが、ここまでくるとまともな人間関係とは言いづらいです。
激しい感情を出す
見捨てられ不安から数々の試し行動を行った末に、激しい感情を吐露する場合があります。
それは、自分を見捨てた友達や彼氏に対して、たまりたまった不安が爆発するように、相手を非難し、罵倒してしまいかねません。
見捨てられてきた今までから救ってくれる一方的な希望が崩れ去ってしまうことへの恐怖心や憎しみが、暴発してしまうときがあるのです。
相手側にしてみればわけがわからないままに一方的に罵詈雑言を叩きつけられてしまうので、手に負えないと、本当に見捨てられてしまうことになります。
束縛する
見捨てられ不安を常に抱いてる人は、見捨てることができなくなるまで相手を束縛してしまうことあります。
自分が見捨てられるとすれば、それは相手にとって新しい人間関係が開けたときだ、と思うことによって、相手の行動を必要以上にチェックすることでしょう。
自分を置いてきぼりにしてあなただけ交友関係を広げるなんて、いつか私のことも見捨てるの?見捨てられるの?と不安が暴走してしまうと、相手の行動すべてを把握したいという感情が芽生えてしまします。
それは相手の人間関係を閉鎖してゆくのと同時に、見捨てられる不安を解消する歪んだ感情なのです。
携帯電話を盗み見する
相手のプライバシーを侵害してでも相手の行動を把握したいと強く思う人がいます。相手の携帯電話を覗き見して、スケジュールやメールやSNSのチェックをして、見捨てられる要素がないと安心したがってしまうのも、見捨てられ不安によるものです。
携帯電話の覗き見は、民法や刑法を引き合いに出す以前に、お互いの信頼関係にひびが入る行為です。
しかし、それを咎めてみても、不安だった、怖かった、と被害者感情で話し出してしまいます。
対応策としては、難解なパスワードにするくらいしかありませんが、見捨てられ不安に苛まれている人は、見捨てられるサインを常に把握していたいのです。
見捨てられ不安の心理とは?
見捨てられ不安の人は、幼少期に充分に愛情を注がれたことがない、親にネグレストを受けた経験の持ち主が多いなど、とても寂しい心理状態にあります。
相手を信じたい気持ちと、見捨てられる不安の板挟みにあっていることが多いようです。
幼少期の不安からきている
物心ついた頃から、親から充分な愛情を受け、ハグをされ、大切に育てられている人は、心がとても安定した状態で成長していけます。
しかし、逆に物心ついた頃から、親から愛情が得られない、抱きしめられた記憶もない、そんな人は心にポッカリと穴が空いているように、見捨てられ不安が芽生えるでしょう。
親に捨てられた、その原体験に苛まれ、友達からも彼氏からもいつか見捨てられるのでは?と、強烈な不安に心を乱されてしまいます。
幼少期の不安を学習している状態では、何気ない言葉や行動が、捨てられる不安の延長線上で、見捨てられる不安が確信に変わることがあるのです。
相手を失いたくない
彼氏とはずっとそばにいたい、と誰もが願うものですよね。
しかし、幼少期の見捨てられた体験から、相手を信じきれないという悲しい習性が身に染み付いてしまっている場合、「ずっと一緒にいてくれるよね?」と聞く間もなく、相手を失わないようにありとあらゆる手を尽くして相手に見捨てられないように画策してしまいます。
相手にしてみれば、なぜここまでするのと思ってしまうことまでしてくれるのですが、それは見捨てられ不安からくる、見捨てられない自分をがんばって見せているからです。そんな事しなくても、相手はちゃんとそばに居てくれます。
自己否定が強い
わたしは見捨てられても当然、と自己否定が強いことが、見捨てられ不安の根源にありがちです。
こんなにダメダメな自分が誰かから愛されるわけがないと自己評価が極端に低いことで、見捨てられ不安が加速してしまいます。
そもそも幼少期から親に否定されて育ってきたら、それは自己否定に苛まれること待ちがありません。
自己肯定感ではなく自己否定がはるかに大きいウエイトを占めているのです。
見捨てられ不安の根っこに自己否定がある場合、見捨てられ不安がついてまわることになります。
ですが、自己否定から自己肯定へシフトチェンジするのは容易ではないのです。
イジメによるトラウマ
学校から始まるイジメは、イジメられた側をケアしてあげないと、となりがちですが、実はイジメる側の子の方が、幼少期に親から充分に愛情を受け取れていないこともあります。
イジメられた側はもちろん自尊心を粉々に砕かれる体験をしているので、自己否定から見捨てられ不安に陥りがちです。
しかし、イジメる側の子は物心ついた頃から親にイジメられていたとも取れるので、見捨てられ不安から過剰に自分の仲間と敵を設定します。
そして、仲間と連携してイジメを行い、イジメる側のコミュニティーを守り、そこから見捨てられ不安を解消しているとも言えるのです。
見捨てられ不安の克服や対処法
幼少期から植え付けられた見捨てられ不安をどう克服すればよいのか、対処法と合わせてご紹介します。
それができれば話は簡単と思われがちですが、今の自分の心の有り様を冷静に見つめて、見捨てられ不安のこじれを解きほぐしていきます。
自分を認め愛する
他人から認められたい、愛されたい、この関係が続くか不安になってしまうのが見捨てられ不安です。
幼少期に親などから受けた仕打ちによって、自尊心や自己肯定感を打ち崩された自分の不安定さを、友だちや彼氏から必要とされることで肯定しようとしてしまいます。
しかし、肯定されたい対象を、他人から自分へ変えてみると、自分を一番見捨てているのは自分自身である、と気付くのです。
つまり自分で自分を認めたい、愛したい、その裏返しとして相手に認められたいと頑張ってしまうのです。
自分で自分を認めて、愛してあげることができれば、見捨てられ不安は「わたしは自分を見捨てない」という確信の前で鳴りを潜めます。
ルールを設ける
見捨てられ不安を抱えている人は、その不安を解消するために過度に行動に出てしまいます。
メールや電話を延々とかけ続けたりしてしまうのです。
見捨てられ不安を抱えている人は、無限に際限なく相手が捕まるまで連絡をかけてしまいます。
もちろん相手にしてみれば迷惑でしかないのです。
この場合は、相手自分との間にルールを設けることが肝心です、無限メールは禁止、1日2回だけ、などと折り合いをつけて了承を得ることで、過度な行動に出ることを抑えられます。
「ここまでがセーフで、ここからがアウト」という限界点を共有することで、見捨てられる不安を抑えることにもつながるのです。
専門家に相談する
自分でコントロールできない見捨てられ不安は、専門のカウンセラーさんとカウンセリングを受けることによって症状が和らぐこともあります。
心療内科で相談することで、カウンセリングを受けることができるので、自分の今までを洗いざらい吐き出すように話ができ、しかもそれをカウンセラーさんが受け入れて聞いてくれるのです。
メンタルクリニックの医師とも相談することで、見捨てられ不安を退治することができます。
母親と線引きする
見捨てられ不安は、幼少期に母親から充分に愛情を受けとれてないときに起こる心のクセのようなものです。「お母さんはわたしを見捨てたんだ」という意識が心にこびりついて離れないのです。
この依存を克服する対処法があります。
それは、母親と自分との間に境界線を引くことです。
母親は母親、私は私、と意識を分断してしまうのです。母親からの見捨てられ不安がこじれてどうしようもないときは、線を引いてしまうほうが楽に生きていくことができます。
母親へ向かっていた過去に縛られた見捨てられた記憶を受け入れ、母親から卒業できた時、私は私と自身を愛するようになれるのです。
見捨てられ不安のある男性との恋愛
見捨てられ不安は女性特有のものではないのです。
男性も、幼少期に親から受けた仕打ちによって、見捨てられる不安に苛まれている場合があります。
もし、あなたの彼氏が見捨てられ不安をいだいていたら、あなたはどうするべきかをご紹介します。
愛情を言葉に出す
見捨てられ不安のある男性は、幼少期に母親からの愛情を充分に得られていないことが発端となるケースが多いです。
しかし逆にいえば、今「あなたのことを愛している」と、言葉で伝えるようにすることが彼氏の見捨てられ不安をやわらげる特効薬になります。
愛されたい、捨てられたくないという彼氏の焦燥感をそっとオアシスのように癒やすことができるのです。
彼氏の焦燥感が減ってきたら、効果ありとみていいでしょう。
彼氏が欲しがっていた愛情を、言葉にして伝えることが肝心です。
手紙やメールよりも、直接的に目を見て伝えられたら、彼氏も安心してあなたを愛してくれます。
一緒にカウセリングを受ける
あなたの彼氏が見捨てられ不安に苛まれているとして、その頻度によってはクリニックを受診して一緒にカウンセリングを受けることが必要になるケースもあります。
たとえば、彼氏が見捨てられ不安に駆られてDV行為を行ってしまうなど、暴力に訴えるようになってしまったら重度のケースと見て間違いないです。彼氏のためにも、自分のためにもメンタルクリニックでカウンセリングを行うことをオススメします。
だからといって、彼氏を責めてしまうと「ほら、見捨てられるんだ」というサインに取られてしまうので、彼氏に寄り添って、彼氏の過去に触れてみて下さい。
見捨てられ不安は少しの心がけで克服できる
見捨てられ不安は、誰の心のなかにもある感情です。
しかし、幼少期の親からの扱いが酷かった場合、見捨てられ不安が肥大してしまいます。
もしあなたが見捨てられ不安に駆られているとしたら、過去と現在の自分を冷静に見つめ直すことが大切です。
今、子どもの頃の自分を愛して受け入れてあげるのです。
もし彼氏が見捨てられ不安に駆られていたら、あなたから彼氏を「愛している」と、何度でも声に出して伝えることで、彼氏の不安な心を補完することができます。
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