味の素株式会社にて新規メディアの立ち上げを担当
連載第25回目に登場いただくのは、勝美由香(かつみゆか)さん41歳。
大学卒業後、アパレル業界・食品業界と2社に渡る外資系企業での勤務を経て、2016年に味の素に入社。味の素は、うま味調味料「味の素」などの調味料をはじめ、加工食品や冷凍食品などを製造・販売する会社です。
入社後は海外食品部で約3年ほど主にインドネシアに商品を広める活動を行い、その後は生活者解析事業創造部へ異動。デジタル関連の新しい事業を立ち上げたいという会社の方針により、現在所属されているR&B企画部に異動されたそう。
そして、2023年11月に新たなメディア事業「おいしさの扉」の立上げを行い、企画運営を担っているとのことです。
Q.具体的にどんなことをしているの?
「新事業立上げをミッションとする部門(R&B企画部)において、2023年11月に立ち上げた『おいしさの扉』の企画運営を中心とした仕事に従事しています。『おいしさの扉』は、“人と食事行くのが面倒くさい”、“食べられればいい”などと、食事をめんどくさいと感じている人や、“健康健康と言われて食事を楽しめない”と自分の食事に満足していない人が、本来食事は豊かなものであるということに、一度立ち返ってもらいたい!という思いから立ち上げました。
食への興味がすごく薄れていてる人に対し、“これ美味しいですよ”、“このレシピ簡単だから作ってみてね”という正面からのアプローチをしても解決には結びつかないのでは?と考え、『おいしさの扉』では“人”を軸に、印象に残っている食体験を語ってもらう記事を作っています。読んだ人が、“自分にもこういうことあったな”と共感してもらって、食へのイメージが変わることにつながればいいなと。
すごく回り道をしているように感じるかもしれませんが、そのくらい丁寧にお客様との関係を築いていくほうが、意外と根本的な解決になるのではないかなと思っています」
Q.味の素で働く理由は?
「1社目も2社目も外資系企業だったので、海外の物を日本に広めることが仕事でした。数年働くうちに、海外の人ってどういう消費行動をして、どういうマインドを持ってるんだろう?と疑問に思いはじめました。そこで、次は日本の企業の魅力を海外に広める仕事をしたい!と思い、味の素に転職することにしました。
実際に入社してみて感じたのは、味の素は個人の熱意を大切にしてくれる会社だということ。熱意を持って仕事をしている社員に対しては、必ずしも結果が伴っていなくてもすぐには切り捨てず、応援してくれる会社だなと感じています。
また、外資系企業で働いていた時は仕事とプライベートを完全に切り分けて、過剰に干渉しないという空気感で人との関係がすごくドライでした。今の会社では、特に役職が上の人ほど、自分の部下や部署の人たちがどういう風に働いてるのか、今何を感じているのか、という細かいところにも気にかけてくれていると感じますね」
Q.QOL向上活動を教えて!
「私は仕事とプライベートのバランスをとるのがあまり上手じゃないタイプで……。何時から仕事して何時で終わる、としっかり決めるというよりは、仕事の合間に出かけたり、人に会ったりして、こまめに息抜きをしながら仕事をすることで、自分の中でバランスをとっています。
お休みの日は映画を観に行ったり美術館に行ったり、実家にはよく帰っては愛犬に癒されたり。映画も芸術鑑賞も本を読むのも、その瞬間は自分自身のことから離れられるので、無意識にそういう時間を求めてるのかもしれません。
以前は、女性のバイオリズムや自分の感情に振り回されて悩むこともあったのですが、感情や悩みを紙に書き出して、ロジカルに考えるようにすることで整理がしやすくなりました。ネガティブな感情はなるべく早いうちにリセットして、定期的かつ意識的に感情をフラットな状態に戻すことを心掛けています」
Q.目標や夢はある?
「仕事での目標は2つ。
1つはメディアを大きくしたいということ。読者を増やすというような定量的な目標を持ちつつ、誰かの日常で『最近、おいしさの扉を見ている』と名前を上げてくれようになったらすごく嬉しいなと思います。それが重なった結果として、『やっぱり食べることっていいよね』と思う人が増えたら、味の素の社員としては嬉しいですね。
もう1つは、若手のサポートをしていくこと。私自身、20代の頃に自分のキャリアや仕事のやり方、人とのコミュニケーションなどさまざまな壁にぶつかりました。だからこそ、悩んでいる社員の応援をしたりサポートをしたりして、次世代を育てていきたいなと思っています。
プライベートでは、まず仕事とのバランスを取るようにすることですかね。周りから見ると、仕事の時間が多いように見えるようで……。でも、仕事の合間にリフレッシュするなどフレキシブルに働かせてもらっていて、この働き方が合っているように感じています。好きなことを好きな時間にできていますし、仕事とプライベートのバランスの取り方はだんだんとわかってきているように思います」
仕事とプライベートは切り分けよう!といわれがちな世の中ですが、そのやり方が全ての人に合っているとは限りません。勝美さんのように仕事を自分らしいやり方で邁進され、食の未来を考えて働いている姿は、私たちの食生活や仕事のあり方を考えられるきっかけをくれそうです。
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Special Thanks:Yuka Katsumi(AJINOMOTO)
Photographer : Chiai
Interview:Mizuki
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